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武器と防具とケモミミと・・・・・。

お願いします。


《ダイブイン》した→



ポーン

〔称号を取得クリア。称号[ハイ・エルフに認められし者]を取得しました〕


ん?


→途端になんか称号を得た。

なんだろこれ? まあ、認められることは、悪いことじゃないから良いか。


ピロリーン

ん? なんか視界の右下の方でチカチカしてる。メッセージのようだ。メールマークが浮かんでいる。メッセージって、こんな感じなんだな。ちなみに、ナツキからだ。


称号はスルーして、メッセージを開封した。ナツキさんからだ。

〈防具と双剣ができたから取りに来て!byナツキ、トーカ〉

連名で来ていた。


ふむ。それじゃ、いきますか。歩きだした。



ポーン

〔称号[受け流す者(ザ・スルー)]が特殊条件をクリア。称号[森羅万象を受け流す者ザ・オール・スルーマイスター]に進化しました〕



さあ、急いで行こうかな。防具に双剣、どんなのだろう。楽しみだな。


何も気にしないで歩き出した。



◇◇◇



露天に着いたので、記憶を確かに歩き出した。


「確かここらへんにあったはず………」


探していると、


「ニズちゃ~ん。こっち、こっち!」


名前を呼ばれた。


「あ、いた」


呼ばれた方向を見たら、ナツキさんとトーカさんが揃っていた。

スタタタッ、と近寄って行った。


「おまたせしました」


「いいよ~。たいして待ってないし。それに何もしてなかったわけじゃないからねぇ?」


「ああ、そうだ。それに、なかなか凄い。と言うか、使えるかわからない双剣ができたしな。とりあえず、見てくれないか?」


使えるかわからない? どういう事だろう?


「加工できたんですね。わかりました。それで、どんな感じに出来たのでしょうか?」


「まずは、問題がない防具の方からね。はい」


そう言って、ナツキさんが防具を出現させた。

やっぱり、双剣のほうに問題が? ドラゴン素材はまずかったか?

ちなみに、後で聞いたが、アイテムボックス同士で渡すことも可能だが、こっちのほうが主流らしい。


「ありがとうございます」


ちなみにこんな感じ。



[灰狼のニット帽]

モフモフな少し灰色の混ざった白い耳付ニット帽。夏は風を通し、冬は暖かい不思議なニット帽。獣人の方も安心設計。

効果:Vit+3、Min+1、Agi+1 防寒耐性小

[灰狼のワンピース]

サラッとした白いワンピース。糸を結っている間に、いつの間にか白くなっていた。夏は風を通し、冬は暖かい不思議なワンピース。

効果:Vit+5、Min+2、Agi+3 防寒耐性中

[灰狼の手袋]

サラッとしてるに何故か武器を持っても滑らない白い手袋。夏は風を通し、冬は暖かい不思議な手袋。

効果:Vit+2、Min+1、Agi+1 防寒耐性小

[灰狼のショートパンツ]

いい感じに動きやすい白いショートパンツ。夏は風を通し、冬は暖かい不思議なショートパンツ。獣人の方も尻尾を出せる安心設計。

効果:Vit+3、Min+2、Agi+3 防寒耐性中

[灰狼の靴]

いい感じに動きやすい白い靴。夏は風を通し、冬は暖かい不思議な靴。

効果:Vit+2、Min+1、Agi+5 防寒耐性中


セットボーナス:Vit+5、Min+3 極寒耐性



いい感じだね。セットボーナスなんてあるんだね。


「なんか、防寒耐性っていうのが付いてますね!」


驚きながら言った。そんな簡単に耐性付加なんて出来るのかな。


「そうでしょ~! 私も驚いたよ。初期の方の装備で、防寒耐性に極寒耐性だもん」


作った本人も驚いたようだ。しかし、ここら辺では極寒地域なんてないのでは?


「でも、極寒の地域ってβでもなかったから、たぶん新要素なんだろうね。こんな耐性があるなんて新発見だよ」


僕とは驚く場所が違ったようだ。


「と、とにかく、ありがとうございます。大切に使わせて頂きます」


「うん。使って使って。 それじゃ、次は「私の番だな」……あれはねぇ」


なんか、含みのある言い方だな。ホントに何があったんだろう?


「これなんだが…………、一応双剣扱いになっている」


そう言ってトーカが出してきたのは、二振りの大剣だった。


「え? ………これって、明らかに大剣ですよね?」


長さは180cmくらいで大剣としては普通のサイズ?

刀身は橙色にぼんやり光っているように見える。


「そうなんだが、一応は双剣だ」


そういわれたので確認した。



双剣 [黄昏之双子トワイライト・ジェミニ

大剣のような大きさの、黄昏色に輝く刃を持つ双剣。ドラゴンの2本の角を材料としており、その強度は同位のドラゴンの鱗さえ、容易く切り裂き貫くことができる。

効果:Str+1186  耐久1500000  スキル:[斬撃範囲拡張][黄昏の刻]



うん。確かに双剣ですね。


「な? “双剣”だろう」


「はい。確かに“双剣”ですね。なんでこんなことになったんですか?」


「よくわからないんだ。もしかしたら、“オーダー”で作ったからかも知れない。もしくは無理矢理つくったことも、関係しているかもしれない」


「“オーダー”で作ると何か変わるんですか? それに無理矢理って」


「ああ。素材をもらって、そのプレイヤー用として作ると、そのプレイヤーの特性に合わせて性能が変わったりするんだ」


そうなのか。う~ん。それは知らなかった。


「無理矢理って、言うのは、スキルランクはβからの貢献度特典に足りてるが、道具のランクが足りなくてな」


「そうなんですか。う~ん。とりあえず、装備してみます」


「おう。でも、持てるのか?」「大丈夫? 持てるの?」


心配そうに二人はそう言った。


「僕用に作ってこうなったなら、装備できるはずですよ」


とりあえず装備っと。


双剣を鞘にしまい、装備したら。あら、不思議。 普通の双剣サイズになりました。



「「「…………………………」」」



「「「…………………?…………!?……なんで!!」」」



三人で声を揃えて叫んでしまった。こちらに視線が集まったが、なんでもないと言ったら、今まで通りの喧騒に戻っていった。



「なんで縮んだ?」


「わかりません。装備したら、としか言えないです」


「オーダーメイドの特性なのかしら?」


小声で質疑応答をしていた。


「試しに抜いてみてくれないか?」


「わかりました」


双剣を抜いた。ら、何故かさっきの大剣が出てきた。…………ん!??



「「「……………………………」」



「「「……………………?……………!?………なんで!!?」」」



またしても三人で声を揃えて叫んでしまった。そして、またしてもこちらに視線が集まったが、なんでもないと言ったら、今まで通りの喧騒に戻っていった。


「なんで元に戻った?」


「わかりません。鞘から出したら、としか言えないです」


「オーダーメイドの特性にしても凄いですね」


小声で質疑応答をしていた。


「それ、鞘にしまえるのか?」


「しまってみましょうか」


双剣を鞘に納めた。ら、何故か普通の入った。…………ん!??



「「「……………………………」」



「「「………………………………………はぁ」」」



今回は叫ばなかったが呆然としてしまった。


「なんで鞘に入った?」


「わかりません。鞘に戻したら、としか言えないです」


「オーダーメイドの特性にしても、まさに幻想的ファンタジーね」


力が抜けたように質疑応答をしていた。


「…………これはもう、これでいいか?」


「………そうですね。装備できて使えそうなので、問題ないです」


脱力して、僕とトーカさんは言った。


「いまさらだけど、ニズちゃんよくそんな双剣を普通に持てるよね」


するとナツキさんが、今更なことを言った。


「そういえば、そうだな。俺でも完成後は1本ずつでも、まともに持てないくらいの重さだったんだが……」


トーカさんも、思い出したかのように言った。


「オーダーメイドだからですかね?」


「かもな。βから正規版でずいぶん仕様変更があったのか。それとも、ドラゴン素材の特性か。ドラゴン素材はまだ少し残ってるから、これでいろいろやってみよう」


うんうん。と頷きながら、トーカが何か言っていた。


「討伐者がオーダーした場合限定だったら、調べるのは今の段階では無理そうだけどね」


「それは、そうだな。……ニズ。なんとかならないか?」


「そんな簡単にドラゴンなんて倒せませんよ」


「「だよねぇ~」」


ナツキさんとトーカさんは笑って言った。


「あ、でも龍素材はありますよ」



「「 え゛」」


二人は固まった。



◇◇◇



二人とも固まったまま帰ってこないので、確認してなかったアイテムボックスを見てみた。



《アイテムボックス:スフィリア》

 大剣 [ノウレイズ]

 一角龍の角龍玉

 一角龍のひげ×2

 一角龍の一角

 一角龍の爪×5

 一角龍の牙×7

 一角龍の鱗×8

 一角龍の龍骨

 一角龍の肉(18kg)

 一角龍の逆鱗


 狩弓 [メアディス]

 偽樹魔の魔樹核

 偽樹魔の幹

 偽樹魔の枝×7

 偽樹魔の皮×9

 偽樹魔の蔦×3

 偽樹魔の根

 偽樹魔の材木×20 


 大弓 [アルリヴァ]

 偽樹王の王樹核

 偽樹王の幹

 偽樹王の枝×6

 偽樹王の皮×11

 偽樹王の蔦×5

 偽樹王の根

 偽樹王の材木×18


 神剣 [スレグイル]

 アクセサリ [神獣耳(ケモミミ)]

 神獣王の神珠

 神獣王の魂核

 神獣王の爪×8

 神獣王の神牙×2

 神獣王の牙×8

 神獣王の毛皮×8

 神獣王の肉(15kg) 



《アイテムボックス:ベルニール》

 曲剣 [カドレル]

 甲王魚の青魔核

 甲王魚の牙×9

 甲王魚の鱗×12

 甲王魚の骨×6

 甲王魚の背骨

 甲王魚の尾びれ

 甲王魚の目×2

 甲王魚の肉(10kg)


 聖短剣 [クラフォル]

 聖山鳥の穹魔核

 聖山鳥の鉤爪×2

 聖山鳥の爪×4

 聖山鳥の嘴

 聖山鳥の羽根×8

 聖山鳥の風切羽×2

 聖山鳥の尾羽

 聖山鳥の肉(12kg)


 炎大剣 [ヴォノルス]

 紅炎猪の紅魔核

 紅炎猪の炎牙×2

 紅炎猪の紅爪×4

 紅炎猪の炎毛皮×8

 紅炎猪の角

 紅炎猪の肉(25kg) 



ふむ。海王龍と森狼王は、スフィとベルのタブから勝手に移動してるな。


一回閉じて、再度開けた。


スフィとベルのタブがなくなっていた。


「一度見ると、勝手に移されるのか。アイテムの収納量を増やさないようにするためかな?」


なんとなしに装備を見ていたら、なんか獣耳があった。


「獣耳。アクセサリか。そういえば1つも着けてないな。装備するか」


獣耳はカチューシャ型でなく、実体がないようだった。

不思議な感じがしたが、気にせず装備した。獣耳と尻尾が生えてきた。

ふむ、ネタ装備か? 気になり詳細を確認してみた。



アクセサリ [神獣耳(ケモミミ)

神獣王の証の耳。装備すると耳と尻尾が生える。神々しい不思議な耳。着けているものは神獣の王となれる。

効果:HP+3000、MP+1000、Str+800、Vit+600、Int+700、Min+600、Dex+500、Agi+1200

全ダメージ80%減、全状態異常無効、行動阻害無効 

スキル:[空間把握][霞如駆] [神獣耳(ケモミミ)覚醒]



ネタな名前なのに、狂った性能の装備だった。

いや、あんた、神獣の王になれるって何よ!?

そして、ニット帽の耳部分が獣耳にフィットして、窮屈感がまったくない。ナツキさん素晴らしいです。しかし、獣耳の方が大きいのに、なんでこんなにも良いフィット感が出るんだ! そして、獣耳と尻尾に感覚がばっちりあることに驚いた。しかし、本来ないものの感覚があるって変な不思議な感じがする。



よし。獣耳は装備しっぱなしでいいだろ。これなら獣人だと思ってくれそうだし。くれるよね?


さすがに種族が幼女は、少し恥ずかしいです。



………しかし、ナツキさんもトーカさんもなかなか復帰しないな。もうちょいかな?



仕方がないので、今度は武器を見てみた。


…………神剣って、これは良いのか? 神獣王か。まあ、獣耳でも、ん? 神獣!? 倒してよかったのか? もとい、倒せたのか! スフィ! ………その強さが頼もしく怖いです。


あ、そういえば、会った時のスフィが怖すぎて、いろいろ倒してることに関して、何も言ってなかったな。今更言うのもなぁ。まあ、迷惑は掛かってないからいいか。



「「なんだってぇーーー」」


ビクッ!

「な、なんですか。いきなり叫ばないでくださいよ」


二人がいきなり叫んだ声で、僕はかなり驚いた。今回も視線を集めたが、またか、みたいな反応だった。

どうやら復帰したようだ。結構長い時間固まってたな。


「それは叫ぶだろう。だってお前、龍って」


「そうよ。そんなモンスターいなかったよ。いったいどこで出会ったのよ」


どうやらβ時代には龍いなかったようだ。でもドラゴンはいたのか。まあ。ドラゴンは定番だからな。


「契約精霊がどこかからか勝手に狩ったみたいで、場所はわかりませんよ」


そうなんだよ。スフィもベルもどこにいってるんだか。そういや、ファノもいないな。ファノは大丈夫かなぁ。


「「契約精霊はそんなこと出来ないでしょ(だろ)!?」」


「そうなんですか?」


「当たり前だ! 一応、中位精霊から実体化できる。そして、βテスターなら中位精霊と契約しているやつもいる。けどな、実体化を維持するには多くのMPが必要なんだ。中位精霊で3分が限界なんだ、龍を倒せるレベルの精霊を実体化なんてしたら、一瞬でMPがなくなって終わるわ!」


「そうなのよ。中位精霊に精霊が育ったら[精霊具現化]っていうスキルを覚えるけど、実際に使うとMP全回復状態で3分もたないよ」


二人は食い気味に言ってきた。

すると、これはアビリティのほうに原因があるな。でもあれって常時発動型のアビリティだったのかな。


「多分アビリティのおかげですね」


「アビリティ? もしかして[精霊具現化]のアビリティか?」


「いえ。少し違います。[精霊完全具現化]です。MP消費なしで召喚が可能な。多分、[精霊具現化]のMP消費がないタイプだと思います」


これって結構便利なアビリティなのかな?


「そんなアビリティがあったのね」


「レアアビリティであることは確かだな」


「そうなんですか。ラッキーですね」


はははは。と僕は笑った。ナツキさんとトーゴさんもつられたのか微笑んでいた。


「あ! スキルやアビリティの詮索は基本的にマナー違反だったな。すまんな」


「確かにそうだったね。ごめんね」


「別に良いですよ。いろいろ情報も聞けましたし。勝手に言っただけですし」


やっぱり公式サイトはしっかり読むべきか? でも、知りすぎるのもつまらないしなぁ。


………うん。わからなかったら聞けばいいし。現状維持だな。


「そうか。ならいいが。………そうだな。公平に私のアビリティも教えよう。私は[職人の技量]だ。効果はSrtとDexの成長にプラス補正が入るのと、作ったものに特殊効果が通常より付きやすくなる」


「なら私も。私のアビリティは[素材解析]よ。効果は簡単に言うと鑑定の上位効果ね。特に素材に関しては詳細な分析が可能ね。あと、それによって素材の特性を引き出しやすくなるの」


二人ともアビリティを教えてくれた。


「二人とも、やってることとベストマッチしてますね」


「まあね。運がよかったよ」


「日頃の行いがいいからな」


ははは。と二人とも笑いながら言った。ついでに僕もつられて笑った。


「それで、龍素材はどうします?」


「あ、………そうだな。今はまだ使わない。明らかにオーバースペックになるからな」「それに、オーダーメイドじゃなきゃ値段が決められないよ」


「そうなんですか?」


「「いやいや」」


「本来、龍やドラゴンはそんな序盤に出るようなモンスターじゃないから」


「そうなんですか。………それじゃ、この双剣は不味いですかね?」


双剣を触りながら言った。


「う~ん。第一にその武器の性能ってどうなってんだ?」


「「え!?」」


ナツキさんと二人して驚いた。


「いやな。分からないんだ。ナツキみたいなアビリティがあれば別だが」


「そうなんですか? ナツキさんが普通に見てましたから、分かってるんだと思ってました。って、なんでナツキさんも驚いてるんですか?」


「え? だって大体の性能は分かるようになっているから。でないと、オーダーの時に値段が決められないでしょ?」


「いや。今回は例外なんだ。確かに普通は見たら分かるんだ。だが今回は見られなかった。作った物の性能に対する標準価格のようなものが、ある意味物価のようなものが普通出るが、今回はそれもわからないんだよ。おそらく、今のレベルに比べて格上だからかもな」


「出なかったんですか?」


「ああ。こんなこと初めてだから、わからないんだ。まあ、経験値は旨かったからいいんだが」


「そうなの?珍しいこともあるのね。それにしても経験値、い~な~」


「お前の方が経験値は旨いだろうが!」


「ふふふふ」


ナツキさんは不適に笑っていた。

てか、話しが大幅にずれているな。戻すか。


「それで、双剣の性能見ますか?」


「おう!」「うん!」


「でも、どうやって見せればいいんですか?」


「レンタル機能を使えば大丈夫だよ」


レンタル? お! これか。 ポチッとな。(そんな効果音は設定しないとしません)


「はい。どうぞ」


「おう」「ありがと」


二人に双剣の性能を開示した。



「「……………………………」」



ん? どうかしたのかな?



「「……………「あの、どうかs」 なにこれぇーー!」」


ビクッ。

かなりビックリしましたよ。いや、本当に。


「「なにこの壊れ性能!!」」


「やっぱりこれは壊れ性能なんですか?」


「「気付いて!!」


二人の声がレゾナンスしてます。仲良いな、二人とも。


「渡された時にそう思ったんですが、その後二人とも平然としてましたし。それに、サイズの方に意識が行ってしまって」


「そうだな。その気持ちはわかる。あれは驚愕だった」


「そうね。確かに驚愕だったわね。魔法より魔法っぽかったもの」


「そうですよね。あれは魔法以外の何ものでもなかったです」


うんうん。と三人で頷きあった。ちなみに再度、視線を集めていたが、気にならない衝撃があったので、気にならなかった。



「しかし、これは。う~ん。ドラゴン素材にしてはスペックがオーバーしすぎてる気がするな。高くても700いかないと思ったんだが。もしかしたら、やっぱりあれはクリティカルだったのか?」


「クリティカル? ですか?」


「クリティカルが起きたの!? しかもドラゴン素材で!?」


僕は疑問を浮かべ、ナツキさんは驚いていた。


「ああ。俺も夢中になって作っていたから、気付かなかったが。おそらくクリティカルが起こっているな」


「クリティカルって、なんですか?」


「クリティカルっていうのはね。言うなれば作成大大大成功、いわゆる超大成功だよ」


なんかナツキさんが、若干ではあるが精神幼児化を起こしている。


「それじゃ、分からないだろう。簡単に言うと、素材の持つ性能の上限以上の武器ができることかな。武器や防具には作り手の技術とは関係なく素材による上限が存在する。その上限以上のものは出来ないはずなんだけど、極稀にその上限を超えるものができるんだ。それがクリティカル」


「ほとんど公式サイト通りの説明じゃない」


「しょうがないだろ。クリティカルしたことなんて、βも含めてないんだから。ってか、出来た人は今まで一人もいないんだから」


「確かにそうね」


ものすごく起こり難いことだけはよく分かった。


「クリティカルって、相当起こり難いんですね。そんなに起こり難いんなら、起こしたら称号とか取得しそうですよね」


難しいなら、起こした本人にも相応のメリットがあってもいいと思います。


「「確かに!」


二人は、ハッ! っとなった。


「か、確認してみる」


慌ててステータスを開いたようだ。


「どう。あった?」


「え~と。………あ、あった」


どうやらあったようです。なんだろう?


「なにがあったの?」


「[会心の一振り(クリティカル)]と[竜の鍛冶師(ドラゴン・スミス)]があった」


少し震えた声で、トーカさんはナツキさんの質問に答えた。


「「おお~」」


僕とナツキさんは、パチパチパチと拍手しながら歓声上げた。


「キャーキャーー。称号だよ。やったぁーー!」


そして、トーカさんは凄く喜んでいた。



◇◇◇



「すまん。はしゃぎすぎた」


やっと落ち着いたトーカさんは顔を真っ赤にしていた。


「まあ、嬉しいのはわかるよ」「落ち着いてくれてよかったです」


僕とナツキさんは苦笑しながら言った。



「結局、この双剣は使っても大丈夫なんですかね?」


「まあ、大丈夫だろ」「そうよ。大丈夫よ」


「なら、大丈夫ですね」


ひとまず、僕の双剣と防具の受け渡しは完了した。



ここで、ふと、あの狼素材の事を思い出した。


「ナツキさん。そういえば、おの狼素材は大丈夫でしたか? 呪われたりしませんでしたか?」


「ええ。大丈夫だったわよ。一針縫うごとに針がダメになる強度だったけれど」


「ちなみに、ドラゴン素材も似たようなものだったぞ。一振りごとにダメージをくらったし、完成までに現段階で最高の鎚を16個潰したぜ。それに、さっき龍素材といっていたが、それは多分加工できないな」


「そうなんですか!」


「まあ、今の段階では本来扱うことのないランクの素材だしな。私たちでも、スキルランク不足だな。今回のドラゴン素材は、β時代と加工方法が同じだったからできたことだ。もし違ったら出来なかったな」


「ええ。それに、道具のランクもまだ届いてないのもあるわね」


「「でも、その代わりに経験値が旨かったよ(ぜ)!」」


ホクホク顔で二人は言った。


「いい笑顔ですね」


「「もちろん」」


本当にいい笑顔です。


「なんにせよ、呪われなくてよかったです。どんな性能になったのですか」


「まだ加工中よ。凄いスピードでHPとMPが減っていくから、加工しきれていないの。ノンストップで加工したら、完成前に死に戻るわね。出来たとしても、今の段階では凄くオーバースペックね。今のところは店舗を持ってから売ろうと思ってるんだよ」


「そうなんですか。でもなんでですか?」


「高すぎて、買える人がいそうにないのよ。だから、ごめん。お金渡すの先になりそうなの」


手を合わせて、すまなそうにいった。


「別にかまわないですよ。お金に困ってませんから」


「ありがとう」


ひとまずはこれで、用事は済んだかな。あ、龍素材。まあ、保留でいいか。加工できないらしいし。



ポーン

〔全プレイヤーにお伝えします。ただいま、パーティ[透き通った水 (クリア・アクア)]が次の町へ到達しました。これにより、中央広場から第2の町【ソラルル】への“ゲート”が開きます〕



どうやら無事に妹たちは、ボスを倒せたようだ。たぶん妹たちだよな。パーティ名を聞いてないからわからないな。


「お、次の町への道が開くか。これであと少しだな」「そうだね。よっし、お店持つために頑張るぞ」


「どうゆうことですか?」


「ん? ああ、第3の町に着くまではチュートリアルみたいなものらしいんだ」

「だから、店を持つのも第3の町。ってこと。第2の町でも、戸建ってものがあるらしいんだけど、なんかホームじゃない気がするんだよね」


「チュートリアルなんですか? それに戸建って、ホームとは違うんですか?」


「戸建については分からないが。チュートリアルは、まあ、慣らしのようなものだ。公式サイトで3つ目の【精霊使帝都市せいれいしていとしエレスト】ですべての日本のプレイヤーが交わる。って、ニズのメッセージを送る少し前に公表されたんだ」


「そうなんですか! 確かに違うところからスタートって聞いてますけど、そんなことになっていたんですか!」


だから3つ目の町に行くまでの条件しか公式サイトに載ってないって、妹が言っていたのか。なるほど、確かにこれはチュートリアルだ。


「それで、チュートリアルなのに、ホームがあるっていうのもおかしいからね。公式サイトの発表も、ホームでなく戸建って書いてあったし。βに戸建なんてものなかったから、ホームじゃないって話しになってるのよ」


ふむふむ。確かに、チュートリアルでホームが買えるのはおかしいか。


「ちなみに、公式サイトによると、2週間くらいで第3の町に行けるように、頑張れば全員がLv10前後のパーティで倒せるボスらしいよ。」



「それは確かにチュートリアルですね」


「ちなみに、一人でも到達したら、全員が“ゲート”を通れるようになるのは、第2の町【ソラルル】だけだってさ」


「それも、最新情報ですか?」


「ああ。なかなか生産職泣かせだな。まあ、他にも何か隠し要素があるらしいからな。って、いうか【エレスト】到達と同時に新要素が色々と解禁になることは発表されてる。詳細はその時になってからだそうだが」


「楽しみよね~。だれか一人でも到達すればいいんだから」


「でもなんとなくですが。時間でなく場所で決めているってことは、その場所に入るには時間も関係してる気がしますね。それに2週間くらいで到達って、ちょうど第2陣の発売日に被りますからね」


そう。一人でも到達すればいいのは第2の町までなのに、第3の町でも到達で。というのは少々おかしい。


「確かにそれも一理あるわね」


「2週間っていう期間が鍵になりそうだな」


僕の仮説に二人とも肯定してくれた。何かのイベントでもあるのかねぇ。楽しみが増えたな。


「とにかく、やっぱり店舗は【エレスト】に作りたいわね」


「ああ。そうだな。そのためにも更にお金を貯めないとな」


「ええ」


二人はニコニコしながら、今後のことについて話していた。


「それじゃ、僕はもう行きますね」


「ええ。何かいいものを入手したら持ってきてね。他より高く買うよ」


「だが、あまりむちゃくちゃなものは困るからな」


「ははは、分かりました。その時は持って来ます。それと、そう何回もドラゴンとか龍とかの素材なんて、手に入りませんよ」


「「それもそうか」」


お互い笑いながら、二人と別れた。


しかし、既にいろいろと凄まじい素材モノが揃っております。そういえば武器の性能を確認してないな。………まあ、使えるものがないからいいか。


さてと、ダイブアウトして寝ますか。結構話し込んだし、しかし、スフィにもベルにもファノにも会わなかったな。




ポーン

〔[神精霊スフィリア][真竜ベルニール][水聖霊トレファノ]が、ユニークエクストラボス[黙示録の赤い竜グレイト・レッド・ドラゴン]と戦闘を開始しました。プレイヤーも戦闘に参加する場合、中央広場の“ゲート”より参加が可能です〕




…………………………………ふう。それはダメだろ! ユニークはまずいよ!!



僕は[神獣耳ケモミミ]の付加スキル[霞如駆]でギリギリ認識できない速度で駆け出した。



◇◇◇



中央広場“ゲート”についたら、人が一杯いた。


「あ、そうか! 第2の町いけるようになったからか」


よく見ると談笑しているようで、並んでいるわけではないようだった。

話をこっそり聞いてみると、どうやら次の町までの“ゲート”を開放したパーティがそろそろ戻って来るらしく。お祝い激励する為に集まっているらしい。

ちなみに、メンバー全員が女性のパーティらしい。


それと、その後でないと、次の町への“ゲート”が開かれないらしい。


「なるほど。そういえばそんなことを聞いた気がするな」


なら今のうちにと、“ゲート”まで駆け足で行くと、魔法陣のようなものがある。そこに進むと選択肢が出て、タップするか、名前を言うとそこへの扉が出てくる仕掛けのようだ。

こっそり行って、こっそり操作する。



選択肢は二つ浮かんできた。


〔 “ゲート”を繋ぐ場所を選択してください〕

≪ノエアイナ≫

≪ユニークエクストラボス[黙示録の赤い竜グレイト・レッド・ドラゴン]≫


ん!?

ハイ・エルフの里も行けるのか! なんで!? と、とりあえずは、スフィの所へだ。

名前を言わずに選択肢から、ポチッ、とな。(さすがに声を出したら、目立つからな)



選択肢をタップしたとたんに、“ゲート”が光り、光の扉が出てきたので、すぐさまそこに飛び込んだ。


ちなみに、開いた“ゲート”には、開いた人か、その人が許可した人しか入れない。って、注意事項に書いてあった。



ありがとうございます。


間違い修正しました。指摘有り難うございます。

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