司の パッケージに関する一考察
千速の大学時代を知る 同期の常盤 司による呟き
そりゃ、入社式でばったり会った時にはびっくりしたのなんの。
学生時代は、ただそこに存在しているだけで注目を集めまくっていた 加藤 千速サンが
そのオーラを「全力で封じ込めています」って格好で立っていたから。
法学部じゃ、その容姿と容赦ない論客ぶりで「美しき刺客」とか言われちゃって、
そこいらのデキそうな男共を軒並み蹴散らしてたし、
学園祭のミスコンに出る出ないでは、シスコン(おっと、韻を踏んでるよ)の兄貴が出てきて
本人を置いて 実行委員とすったもんだもあったし、
自分の容姿と実力に無頓着なわりに、周囲はいつも賑やかで、
それを当の本人が一歩引いた所から、迷惑そうに眺めているって感じだったんだよねー。
ああ、それでパッケージを変えてみようって思ったわけねって、一瞬納得しかけたけど。
それってどうなのよーって首を傾げちゃうわけ。
瑞穂の側にいるから目立ってる、って本人は思っているみたいだけどさー。
そりゃ、完全に読み誤ってますよ。
あの森 瑞穂と肩を並べる営業成績ですよ。
それなのに、がむしゃらな感じ、女を捨てた感じがしない。
どんだけ有能なんだっつーの。
まあ、確かに地味な服装ではあるかもしれないけれど、
纏う雰囲気が凛としていて、人目を惹くんだよね。
どこが、とか 何が、とか言えないんだけど、印象的なんだよ。
いや、もともとの千速サンを知ってるから僕がそう感じるってわけじゃありません、断じて。
そもそもですね。
学生でもあるまいし、20代後半になって色々と社会経験を積んだ男は!
しかも、いわゆる「デキる」とか「優良物件」とか巷で分類されるような男は!
ただ単に、派手なパッケージにすぎないモノになぞ手を出さないのです。
あ、いや、男ですから、目を奪われたりふらついたりすることも、あります、スミマセン。
でもねー。
派手なペラペラのセロファンを剥がしたら、中身が貧相なプラスチックとか、
それくらいのことは、見抜きます(断言!)
そんなのに騙されたり引っ掛かるのは、所詮その程度の男ってことじゃない?
本物は、本物を見抜くでしょ。
どんなに隠そうとしたって、さ。
例えば、瑞穂クンが千速サンに惹かれているように。
あ、そんなにわかってるんなら自分で千速サンを捕まえろって?
いや、無理(笑)
僕には荷が勝ちすぎますって。