八、探す
耕平以外の親しい友達なんていなかったから、翔は一人になった。
休み時間に話したりする奴はいるけど、友達とは思えなかった。
思い出してみれば高校生活のほとんどの時間は耕平といるか、不特定多数の女の子と過ごした。
別に女の子が大好きってわけじゃない。勿論嫌いではないんだけど。
翔が色々な女の子と付き合うのは、探してる人がいるから。
この学校にいるのか、年齢は何歳なのかも分からない。
でもどうしてももう一度会いたいから。
小さい頃、親の用事で翔は親戚のいるこの町に二日だけ預けられた。
六歳だった翔は親戚が目を離した隙に外に飛び出した。
そしてすぐに迷子になった。四時間以上迷ってもう駄目だと思って公園のブランコい座り込んだ。
せめて死ぬ前にブランコをこごうと思ったのだが、段々落ちていく太陽に気持ちが高ぶってしまい泣きだしたのだ。
そんな時に不思議そうに見てくる女の子がいた。
「どうしたの?男の子なんだから泣かないの」
そして近くの交番まで連れて行ってもらったのだ。
何とも格好悪い記憶なのだが、忘れる事はなかった。
いつか大きくなったら、今度は自分がその女の子を助けようと思った。
名前も年齢も何も知らない。顔もきっと変わってる。
相手が自分と再会しても分からないだろう。
だけど絶対見つける。自分が分かってやる。そう思った。
それから色々な女の子と付き合ったが、あの子ではなかった。
そしていつの間にか女たらしと言われるようになって、友達もできなかった。
唯一仲良くなったのが耕平。
しかし今耕平はいない。
あの女の子を探す。
翔の思いは更に強くなった。
でもそれ以上に明日から無視されるであろう麻奈が気になった。




