帰り道
とある大会の帰り、時計の針はもう10時を指していた。
何回か訪れたことがある場所とはいえ
暗くて道もわからないので私はマップを使って帰ることにした。
最近のマップには音声案内機能がついている、
これがあれば安心だ。
しかし、最短ルートを示すので暗い道しか教えてくれないのが難点。
私は怖いのが嫌いだが、勇気を出して街頭のないあぜ道を進んでいた。
だんだん、抑揚のない音声案内すらも怖くなって、
すぐに帰りたくなってきた。
頭の中はもう。
「帰りたい帰りたい帰りたい...」
でいっぱいだった。
すると突然「左方向」と案内があったので曲がると、
そこには鳥居が立っていた。
私は真っ先に
「この先にはいってはいけない!」
と思い、逃げ出した。
そして音声案内がもう一言。
「引き返してください」
.......それ以降の記憶はなく、気づいたら家に着いていた。
みなさんも夜道は気をつけて。