『速記会社同士の争い』
ICレコーダーの性能向上と、価格低下によって、議事録作成の仕事が激減していました。自分で議事録が作成できてしまうのですから、外注が減るのは当然です。速記会社としては、おまんまの食い上げです。小さくなったパイを奪い合うがごとく、それぞれの速記会社が、限られた仕事を分け合っていました。
きょうも、ある会社が発注した議事録作成の仕事をめぐって、ある速記会社と別の速記会社が争っていました。これまでも、価格の引き下げ合戦を繰り広げ、利益が減少していたので、この日はののしり合いに専念しましたが、ののしり合っているときに、テープ起こし会社の営業が目に入りました。恐らく、速記会社同士が争い合って体力を失ったところを、テープ起こし会社が、低価格で仕事をさらっていくつもりなのでしょう。両者は、むしろ今後は、外の競争相手に対抗するために、速記会社同士でつぶし合うのをやめようと、それぞれに誓ったのでした。
教訓:カルテルにならないよう、文脈に注意した。