97 「バーラ先生の特別授業」
はいこんにちは。
いやいや……ようやく観ることができました「バーラ先生の特別授業」。観に行った映画館さん、恐らく今日が最終日だったようで。間に合って本当によかった~!
〇「バーラ先生の特別授業」(原題:「Vaathi」)
2023年製作
監督・脚本:ヴェンキー・アトゥルーリ
音楽:G・V・プラカーシュ・クマール
出演:ダヌシュ / サムユクタ / サムドラカニ / スマント / タニケッラ・バラニ / サーイ・クマール / ラージェーンドラン / ハリーシュ・ペーラディ / バーラティラージャー(特別出演)ほか
インド タミル語 134分
わたくし、よく存じ上げなくて主役のダヌシュさんのことは初めて見たのですが、もう最初からなんかもう「懐かしい!」「これこれこれよ!」って思ってしまった理由の大きなところは、やはり音楽。楽曲が本当にいいんですよこの映画!
どなたが音楽担当……? と思って調べましたら、「G・V・プラカーシュ・クマール」の文言が。
えっと見た覚えがあるぞこのお名前!
そして自分の書いてきたインド映画のエッセイを読み直して、わかりました!
あの名作「響け! 情熱のムリダンガム」で主役ピーターを演じ、その作品の音楽を担当されたラフマーン氏の甥ごさんでしたね。G・V・プラカーシュ・クマールさんご自身も素晴らしい才能をお持ちだということはそこでも書いたわけですが、今回の作品でしっかりと耳にやきつきましたよ、本当に素晴らしい! 何度も何度も、音楽が鳴り始めたタイミングで涙しちゃいましたよわたくし……なにこれ、ほんとなんなの(涙)。
事前情報で、「貧しいことやほかの様々な理由できちんと教育を受けられない子どもたちのために立ちあがる教師の物語」ということだったので、リティク・ローシャンさんの「スーパー30 アーナンド先生の教室」とか、ヴィジャイさんの「マスター 先生がくる!」とかを思い出していたのですが……いやいや。これもまた大変な感動作です!
ではお話をちょこっとだけ。
冒頭は、勉強のヤル気があんまりない大学生の青年たちから始まります。
ある日、青年の一人の祖父が経営していた古いレンタルビデオショップで、隠されるように片づけられていた謎のVHSテープを見つけた三人。てっきり「エロいビデオだ!」と大喜びで見始めたのですが、それにはとある男性が難しい数式を黒板に書きながら教えている映像が延々と映し出されていて……。
あまりに素晴らしい講義の内容に、そのテープの由来が気になり、やがて三人はA・M・クマールなる中年男性のもとにたどり着きます。
クマールによれば、映像の男性は「バーラ先生」。
30年も前、チョーラワラムという村で、クマール氏やほかの少年少女を大いに助けてくれた、とある素晴らしい数学教師の物語が語られはじめます……!
1990年代、インドは経済自由化を始めており、教育でさえも「金のある者しか受けられない」ぜいたく品のようになってしまっていました。貧困ばかりでなく、女性蔑視やカーストによる差別も根強く、子どもたちは様々な障害のまえになすすべもなく、学校に行きたくても行けず、親に言われるまま労働させられていたのです。
そんな中、チョーラワラムの公立校に赴任してきた若き数学教師バーラ。
私立校を運営する男(これが本作の悪役ですね)による様々な嫌がらせや攻撃を受けながらも、子どもたちのためにと立ち上がるのでした……。
ほんと、あちこちで胸アツ。どうしても涙腺がゆるんでしまう場面の連続……!
すでに上映が終わっている地域も多いタイミングでまことに申し訳ないのですが、機会がありましたらぜひ、こちらもご覧いただきたいものです。
ではでは、ドスティ!