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91 「リシの旅路」

 

 はいこんにちは。

 今回ご紹介する映画はこちら!

   またもや南インド・テルグ語の映画です。


 〇「リシの旅路」(原題:「Maharshi」)

 2019年製作

 監督:バムシー・パイディパッリ

 脚本:バムシー・パイディパッリ / アヒショール・ソロモン

 出演:マヘーシュ・バーブ / プージャー・ヘグデ / アッラリ・ナレーシュ / ジャガパティ・バーブ / プラカーシュ・ラージ ほか

 インド テルグ語 178分


 こちらの主役をされたマヘーシュ・バーブさんは、インド・テルグ語映画で大変な人気を誇る有名な俳優さんとのこと。

 私はこれまで存じ上げなかったのですが、それもそのはず、ちゃんとマヘーシュさんの映画が日本で上映されたのもこれが初めてらしいのです(違ってたらすんません!)。


 正直「マヘーシュさんてどんな感じやろ……」ってちょっとドキドキしながら劇場へ。初体験って、いつでもドキドキを伴いますよねっ!(笑)

 でも始まってみたらもう納得! しかありませんでした。

 なにしろマヘーシュさん、とんっっでもなくお顔や仕草に品があるのです。めちゃ高貴な感じがする……これはなに? 王子サマ? これが「スター」の輝き……???

 それでいて、けっしてひょろひょろではなく、しっかり鍛えられたバランスのいい体つきで激しいアクションもダンスもこなす!


 ご出演されている方としては、悪役としてあのジャガパティさんが出てらして、それを知らなかったわたくし、見ている最中に思わず「うあっ!」て声が出そうになりました~! 嬉しい悲鳴!

 今回はスーツ姿でご登場ですが、足が長くてやっぱりカッコいい~イケおじ~! いや悪役ですけどもね。あの「ランガスタラム」の時とはまた違う姿ですが、かなり毒々しく素晴らしい悪役演技を披露してくださっています。


 そしてここでは、監督さんにも絶対に言及しておきたいっっ!

 今作品で監督と脚本を手掛けているバムシー・パイディパッリ氏は、すでにご紹介したラーム・チャランさん主演の「ザ・フェイス」とタラクさん主演の「ブリンダーヴァナム 恋の輪舞」の監督さんでもあります。ここ大事! RRR民としては外せない情報ですね。


 さてさて。

 ということで、ストーリーもちょこっとだけご紹介しておきましょう。


 貧しい下級公務員の父のもとに生まれた青年、リシ。少額の借金返済にすら日々困っている父親の姿を見て育ち、その反動から非常な上昇志向つまり「実力で絶対にのし上がってやる!」という思いを胸に刻んで成長した人でした。

 そのこともあって父親とは折り合いが悪く、長くまともに口もきいていません。間にはさまったお母さまがいつもそれで心を痛めています。


 あ、ちなみにこのお母さま役のかた、ヴィジャイさんの「後継者」でヴィジャイさんのお母さん役をされた俳優さんでした! やっぱりステキな演技……。

 さらにお父様役のかたも、ヴィジャイさん映画をはじめ色んなところでお見掛けする(特に悪役で・苦笑)かた。今回は人格者の父親という役どころで、いつもとは違う表情が見られてとてもよかったです。


 すみません、脱線しました。

 数学の才能に恵まれたリシは(もちろん大変な努力もして)インドの名門工科大学に入学。そこでもダントツの成績を誇るように。

 学生時代にできた親友ラヴィや恋人の女性もいたのですが、あれこれあってかれらとの縁を失い、卒業後は単身アメリカに渡ってIT業界でトップにのしあがります。押しも押されもせぬトップ・ビジネスマンとして富豪の仲間入りを果たすリシ。


 やがて、とあることがあってリシはインドへ一時帰国することに。

 そこで、かつて親友だったラヴィに再会。

 ラヴィの故郷は貧しい村なのですが、ヴィジャイさんの映画「カッティ」にも描かれていたような貪欲なデベロッパーによる土地の買い上げの圧力が激しく、ラヴィはたった一人でそれに抵抗運動をしていたのでした。この大企業のドンがジャガパティさんですね!


 実はラヴィは、かつて学生時代にリシに掛けられたとある不正の疑いを、自分が犠牲になることによって救っていたのでした……。その結果、決まっていたいい仕事をフイにし、結婚の約束をしていた女性とも別れさせられており。事実を知って愕然とするリシ。

 ラヴィとの交流によって変化してゆくリシ。やがてこの抵抗運動に積極的にかかわることを決断し、地域の農民の老人から農業を教わったり、農村の真ん中に露店の事務所を構えてそこで仕事を始めてみたり。


 もちろん、荒っぽい方法でリシを攻撃してくる男たちもたくさん出てくるんですが、そこは頭だけではないリシ! アクションするとなったらめちゃめちゃ強い! ここはインド映画らしいスッキリポイントですね!


「旅路」というタイトルにふさわしく、ひとりの青年の長い人生をずっとともに追い続けていくような感覚のする、非常に見ごたえのある一本でした。

 機会がありましたらぜひどうぞ。


 ではでは、ドスティ!


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