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65 「モンキーマン」

 

 はいこんにちは。

 今回は厳密に言って「インド映画」とは呼べないのかも知れませんが、インドの監督と俳優さんたちによる映画ということで、悩んだ末ですがこちらでご紹介しますね。


 〇「モンキーマン」(原題「Monkey Man」)

 2024年製作

 原案・監督:デブ・パテル

 脚本:デブ・パテル / ポール・アングナヴェラ / ジョン・コリー

 出演:デブ・パテル / シャルト・コプリー / マカランド・デシュパンデ ほか

 アメリカ・カナダ・シンガポール・インド合作 121分 R15+


 なぜ「インド映画」とは言いにくいかというとご覧のとおりで、アメリカの配給会社から出された「アメリカ映画」の括りの中にある作品だから。

 とはいえあの「RRR」でペッダイヤを演じられたマカランド・デシュパンデさんが非常に重要な役どころでご出演されていますし、原案・監督・脚本・主演をなさっているのも「スラムドッグ$ミリオネア」で主演をされたデブ・パテルさんなわけで。

 内容も、いつものインド映画の歌や踊りこそないものの、差別や貧困、虐待等々、非常にインド社会の闇を厳しく表現したものとなっており、やはり「インドありき」の作品ではないかなと思いました。


 舞台はインドの架空の都市。

 森に住んでいた幼いころに、理不尽な理由で母を虐殺された男・キッド。今ではこの都市に流れつき、闇の賭博ファイトクラブで猿のマスクをかぶって悪役(ヒール)の「モンキーマン」として殴り合う日々を送っています。

 彼の頭には母を殺した相手の断片的な記憶が残っており、やがてそれがつながって、とある相手に復讐を誓います。


 仇が富裕層を相手にした高級クラブに勤めており、相手に近づくためにその厳しいセキュリティを通過するべく、キッドはさまざまな工夫をしてそこで働く道をみつけます。そうしてついに仇を暗殺しかかるのですが、あえなく失敗。なんとか逃げ切りますが半死半生に……。

 彼を救ったのは「異物」として社会から忌避され、放逐されているLGBTQの人々でした。


 なんといいますか、全体に重厚で悲壮な物語。

 凄まじいアクションシーンは見どころなのですが、その戦いも非常に悲壮なもので、BGMも悲しげなものがかかります。

 これまで見てきたインド映画の、貧し虐げられているけれども忘れないおおらかさ、優しさ、明るさなどはあまり感じられず、どちらかというと日本映画にもよく見るような、ある種「文学的」なリアリティ、しんどさや悲しみが胸に迫ります。


 R15+の作品ですが、いやなんというか……本当に残酷シーンがとても残酷。ちょっと目を開けてみているのがつらくなるぐらいでした。もう容赦ないです。そこはちょっと覚悟して観に行く必要があるかも?

 そして忘れてはいけないのがマカランドさん!

 本当にもう、「RRR」そのほかで拝見してきた役どころとはまっったく違う演技で「さすが」としか言いようがなかったです。これまでとはまた違った、役者としての腕を見せていただいたなと思いました。


 好き嫌いは出る映画かなとは思いますが、いつもとはひと味ちがうマカランドさんを観るために観に行くのもまた「アリ」ではないかしらと思います~。

 ではでは、ドスティ!


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