63 「きっと、またあえる」
はいこんにちは。
今回は、前回の「ムトゥ 踊るマハラジャ」を見る方法を探していたときにたまたま無料で観られることを知って観てみたインド映画です。
〇「きっと、またあえる」(原題「Chhichhore」)
2019年製作
監督:ニテーシュ・ティワーリー
音楽:プリータム・チャクラボルティー
出演: スシャント・シン・ラージプート / シュラッダー・カプール ほか
インド ヒンディー語 143分
こちらの監督さん、ニテーシュ・ティワーリー氏は、実は未見でこれまた絶対みたいと思っている「ダンガル きっと強くなる」の監督さん。
情報をちょっと調べてみたところ、この「ダンガル きっと強くなる」はインド国内で、あの「バーフバリ」が世に出るまでの間ではもっとも高い興行成績を残した作品なのだそうです。その後いったん「バーフバリ」に抜かれたものの、改題されて他国であらためて上映されたところまたもや人気が出て、再び「バーフバリ」を抜いたということで。
それほどの作品を撮る監督さんの作品ならば、ぜひ…! と思って手を出した作品だったのですが、いやまちがいなかったです。とてもよかった!
ということで、ちょっとだけストーリーもご紹介を。
「きっと、うまくいく」でも紹介されたとおり、あちらインドも今や大変厳しい学歴社会。有名大学に入るためには、全国一斉試験を受けて合格しなければならないようです。ところがそれはとても狭き門。映画の中でも「毎年百万人が受け、合格するのは一万人」というセリフがでてきます。
主人公アニは、上流階級の中年男性。少し前に妻と離婚し、すてきなマンションで息子と二人暮らしをしています。その息子は例の大変な試験を目指して長い間必死に勉強してきたのですが、なんと不合格に。
「自分は負け犬だ。他人からも負け犬だってバカにされるにちがいない」と思い詰めて、息子はとうとう友達の目の前で飛び降り自殺をはかってしまいます。
手術をうけて一命をとりとめたものの、脳が腫れていて非常に危ない状態がつづく息子。担当医はアニと元妻を呼び、彼について「状況は予断を許さない。しかし今もっとも問題なのは、彼に生きようとする意志がないことだ」と告げます。
ショックを受ける父母。
思い悩んだ末に、アニは、かつてインドの工科大学学生寮でともに学び、寮対抗戦でともに戦った親友たち──当時は周囲の学生から「負け犬」と揶揄されていた寮の仲間たち──を呼ぶことに。
仲間たちはそれぞれ出世し、今はそれぞれに家庭も持っていますし、中には外国にいる人も。でもアニの呼びかけに、取るものも取りあえず駆けつけてくれます(もうこの場面ですでに涙)。
そうしてアニと元妻、そして仲間たちは、少しだけ意識を取り戻した息子の前で、かつての自分たちの学生寮時代の「負け犬」エピソードを語り聞かせるのでした……。
いま現在の物語と、親世代のみんながかつて学生だったころのエピソードが入れ替わり立ち替わり語られていきますが、混乱することもなくすっと入り込めます。
ほんとうに、心から応援できる素晴らしい友情の物語。
壊れてしまった夫婦仲も、ともに過去のエピソードをなぞっていくうちに少しずつ改善して……?? という。
歌や踊りはほとんどなく、歌はBGMとしてかかるぐらいで、踊りはエンディングであるぐらい。全体にとてもハートフルで満足感があり、観て損のない映画だと思いました。
というわけで、こちらもよろしかったらどうぞ~。
ではでは、ドスティ!