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59 「チャーリー」

 

 はいこんにちは。

 今回はこちらの映画!

 インドでは「サンダルウッド」とも称されるカンナダ語作品です。


 〇「チャーリー」(原題「777 Charlie」)

 2022年製作(日本での公開は2024年)

 監督・脚本:キランラージ・K

 音楽:ノビン・ポール

 出演: チャーリー / ラクシット・シェッティ / サンギータ・シュリンゲーリ

 インド カンナダ語 164分


 ほかの映画を観に行くたびに、何度も予告編の映像を観て(そして毎回うるっときて・苦笑)いて、大体どんなお話であるのかはわかっていた……つもりだった! のですが、いやいやいや。思っていた以上にもっともっと深くて、しっかりとしたテーマ性をもった作品でした。

 もちろんラブラドール・レトリバーのワンちゃんである「チャーリー」に泣かされる部分はめっちゃあるわけなんですが、いわゆる「動物モノの単なるお涙ちょうだい」にはとどまらない、その部分が凄かったのです。


 あ、そうそう。こちらインド映画ではあるのですが、インド映画にしては珍しく「歌って踊るシーン」というのがいっさいありません。大事なシーンごとに美しい歌や曲が流れはするのですが、主人公がそれに合わせて歌うとか踊るとかいったことがないのです。これはなかなか……画期的ちゃう???


 さてさて。

 では少しばかりお話のご紹介を。


 主人公は、過去の家族にまつわる悲劇的な経験から、周囲の人々に対してすっかり心を閉ざして孤独に生きる男、ダルマ。彼の住むアパートの汚さといったら、もうすさまじいもんがあります。日本とは衛生観念とかが違うのかもしれませんが、ネズミは走っとるし食べ物にハエはたかっとるしで「それにしたって汚すぎやろ!」と思っちゃうぐらい。

 仕事だけは本当に真面目に通っているのですが、とにかく職場の同僚やらアパートのほかの住人やらともろくに人間関係を築こうとしていませんでした。


 そんな彼のところへ、ある日、悪徳ブリーダーの小屋から逃げ出してきたメスのラブラドールの子犬が現れます。

 とある事件があったことがきっかけで、ワンちゃん、ダルマがめちゃくちゃ気に入ってしまった様子。そこからずっとつきまとうようになり、家に入ってくるように。

 最初のうちこそうるさそうに彼女を追い出そうとするダルマでしたが、様々な出来事が起こる中で次第しだいに心を開き、やがて大好きなチャップリンから名をとって「チャーリー」と名付け、可愛がるようになります。


 子犬のチャーリーはまあ、本当にやんちゃでイタズラ好き。もともと汚かったダルマの部屋が、さらにめちゃくちゃに散らかされてしまったり。このあたり本当に楽しく微笑ましくて、動物を飼った経験のある人ならきっと「そうそう」「あるある」みたいになること請け合い(笑)。

 ところがある時、チャーリーが重い病を抱えていて、余命わずかであることがわかってしまい……。


 このあたりからもう、涙腺がヤバすぎになります。いやもうほんまに!

 ダルマはそこから、チャーリーが大好きな雪を実際に見せてやりたいと思い、一念発起して自分のバイクにサイドカーを作りつけ、南インドから遠く離れたネパールの雪山までチャーリーをつれて旅することに。


 ダルマを演じたラクシット・シェッティさんの、チャーリーにであってから鮮やかに変化していく様やチャーリーへの愛情にあふれた演技、本当に素晴らしいですし、なによりやっぱりチャーリーが! 素晴らしすぎる!!

 とてものこと、ワンちゃんが演じているとは思えないのです。いやもうほんとに!

 なんという瞳の演技。せつない瞳、嬉しそうな笑顔、ダルマのことが大好きで大好きでたまらないお顔……どれもこれも、宝石みたいにキラキラしていて、見ているだけで胸がぎゅっと苦しくなります。


 彼女と過ごすうちに周囲の人にも心を開き、最初の状態とはすっかり人が変わってしまうほどの変化を遂げるダルマのラストシーンも目が離せません。

 ワンちゃんを飼った経験のある方、そして特にその子を亡くした経験をお持ちのかたにとってはもしかしたら敷居の高い感じがする映画かもしれないのですが、これは観ないのは本当に損。

 ラストは決して悲しいばかりではないので、ぜひご覧になってほしいなと思いました。

 救いと望みのあるラストだったと思いますし。


 あああ、ネタバレしないように気を付けているつもりなのですが、もしかして語りすぎていましたら申し訳ありません! このへんにせねば、本当にヤバイです!

 ではでは、ドスティ!


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