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55 「バジュランギおじさんと、小さな迷子」

 

 はいこんにちは。

 今回は前回にひきつづき、サルマン・カーンさん主演のこの名作映画のご紹介です!


 本当はもっと早く、他の映画館で観ようかと思っていた作品だったのですが、その日はタイミングが合わず、またもや「塚口サンサン劇場」さまで鑑賞させていただく運びに。

 実はこちらの映画館さまはこの5月に本を出版されていまして、本屋さんでの発売に先立って映画館で発売が開始されておりまして。もうずっと「RRR」を上映しつづけてくださり、そのほかのインド映画もずーっと何かしらを上映しつづけてくださっているまさに「推し」の映画館さんなもので、待ちわびるようにして購入させていただきました。


 〇「まちの映画館 踊るマサラシネマ」

 塚口サンサン劇場・戸村文彦・著 / 西日本出版(2024)


 こちらも是非ぜひ、一度お手にとっていただけたらと思います。

 さてさて。映画の話にもどります。


 〇「バジュランギおじさんと、小さな迷子」(原題「Bajrangi Bhaijaan」)

 2015年製作

 監督:カビール・カーン

 原案:V・ビジャエーンドラ・プラサード

 主演:サルマン・カーン / ハルシャーリー・マルホートラ

 インド・ヒンディー語 159分 


 SNSで事前に拝見していたところ、みなさん「ハンカチ必須」「むしろバスタオル必須!」みたいにおっしゃってるかた多数の感動作であることはわかっていたのですが、ある程度ストーリーの予想はつくものの、それでも本当によかったです。感動的な作品でした。


 パキスタンの山地、小さな村で生まれた5、6歳の少女、シャヒーダーは、生まれつき言葉を話すことができない子ども。シャヒーダーの将来を案じた両親は、母親と彼女がふたりでインドまで願掛けにいくことを決意します。

 帰り道の列車の中で、深夜、停まっていた列車の中から、地面の穴にはまっていた子ヤギを助けようと外へ出てしまったシャヒーダーは、そのまま気づかれずに列車に置いて行かれてしまい……。

 そのまま列車でパキスタンに戻らざるを得なかった母親は、再びビザを取らなければインドに行くことを許されず、娘をすぐに探しにいけずに悲嘆に暮れるのでした。


 どうしたらいいかわからず、泣きながらさまよっていたシャヒーダーは、ヒンドゥー教のハヌマーン神を熱烈に信仰する、正直もので底抜けのお人好しな青年・パワン(サルマン・カーン)に出会います。

 いろいろあって、パワンは彼女をなんとか国に返し、家族に会わせてあげようと決意するのでしたが……。


 ここまで「タイガー」シリーズでもわかるように、インドとパキスタンは文化的にも歴史的にも宗教的にも多くの軋轢を抱えている二国。

 国境を超えるためには大きな障害が山ほどあるのですが、たまたま二国の状況が悪くなり、パワンは普通の方法でビザをとって入国することもままならない状態に。

 しかもパワン、信心深いため「絶対に誰にもウソをつかない、正直に生きるんだ」と心に誓っている人。

 ビザなしで国境を超えようとしますが、そのことを馬鹿正直にパキスタン側の国境警備隊の隊長に打ち明け「なんとか許可をください」と再三お願いするという……。さすがのシャーヒダーもこれには呆れて「もう行こうよ、黙っていこうよ」とばかり彼の服をひっぱるのですが、パワンはまったく聞き入れず……。

 そのあたりまではちょっとコメディ調な部分も多いものの、やっぱり最後は涙、涙……!


 このイノセント極まるパワンを、それまでアクション俳優としての名声の高かったサルマン・カーンさんが非常に説得力をもって演じられています。誠実でとてもやさしくまっすぐなパワン、サルマン・カーンさんでなければ、あのつらく長い旅でインドの人のみならずパキスタンの人々から助けられたり親身になられたりする……という展開の説得力がでなかったに違いないとすら思います。必見です!


 また、口のきけない少女役を務めたハルシャーリー・マルホートラ(撮影当時は6歳)が、本当に、ほんっっとーーーーに、素晴らしい!

 口がきけない役のためセリフはほんのわずかしかないのですが、目と表情としぐさによる演技の透明感、説得力、かわいらしさ……なにをとっても本当に素晴らしくて、冒頭のところから泣かされてしまう……。


 ちなみに原案を提供したV・ビジャエーンドラ・プラサード氏は「バーフバリ」の原案でもあり、「RRR」や「バーフバリ」の監督であるS・S・ラージャマウリ監督のお父様でもあられる方だそうで。「バーフバリ」をご紹介したときにはそうとは知らなかったので、今回パンフレットの記載で知ってびっくりしました(苦笑)。才能が連綿とつながっているのですね、すばらしい……!


 ああ、なんだかんだでまた長くなってしまいました。

 とにかくこれは必見の映画のひとつだろうと思います。よろしかったらどうか、機会をとらえてごらんいただけたらと思います~!

 ではでは、ドスティ!


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