45 「マジック」
こんにちは。
ということで、今日こそは前回次にゆずった「マジック」のご紹介~!
実は塚口サンサン劇場さんがヴィジャイさん主演の映画を一週間ずつ、3作品上映してくださることがだいぶ前からわかっておりまして。
「これはもう絶対に観る、観ねば!」と前々から意を決しておりましたわたくし。
というわけで、3連チャンの第一作がこれ!
〇「マジック」(原題「Mersal」)
2017年製作
監督:アトリ
監督・脚本:アトリ V・ヴィジャエーンドラ・プラサード
主演:ヴィジャイ
音楽:A・R・ラフマーン
インド・タミル語 169分
すでにタミル映画をいくつか拝見してきたことで、俳優さんたちについても「あっ、この人みたことある」「この人も……!」と思うことしばしばだったのですが、それ以外でも、たとえばアトリ監督については、すでにご紹介したヴィジャイさん主演作品「ビギル」の監督さんですし、音楽担当のA・R・ラフマーンさんも「ビギル」や名作「踊るマハラジャ」を担当された素晴らしい才能をお持ちの音楽家。
こんな感じで、才能に恵まれた多くの方々が集結しているのが最近のインド映画のこのパワーを生み出しているのだろうな~と思ったり。
さてさて。
ここからは少しストーリーを……と思ったんですけれども、これ……めっちゃくちゃご紹介が難しいのよ!
なぜって、本当にどんでん返しが多いし、非常に巧みなミスリードがいっぱいだし。
こんなんをネタバレなしに紹介するって本当に至難の業。
つまり脚本の妙が冴えわたっている!
ということで、今回も本当に冒頭だけご紹介。
とかいってるうちに、もう観に行っていただきたいですけどね! すばらしいので!
はい、気を取り直して。
冒頭は、医療関係者らしき人々が次々に拉致され、行方不明になるという謎の事件から始まります。
インド・チェンナイの非常に貧しい人々が暮らす街で、低額(5ルピー)で患者を診る医師・マーラン(ヴィジャイさん)は、その人道的な功績をたたえられて国際会議で表彰されるほどの人物なのですが、この誘拐事件の首謀者という疑惑があがり、警察に拘束されてしまいます。
しかし彼の尋問が進むにつれて、マーランとうり二つの男、天才奇術師のヴェトリという男の存在が浮上してきて……。
なんとヴィジャイさん、このヴェトリも演じておられる上、過去の物語の中では彼の父親の役までこなしておられます。
つまり一人三役! ビギルより上やん! すげえ!
実はこのマーラン医師と奇術師ヴェトリとの間には浅からぬ因縁と謎があり、どうやら二人には共通する過去があるらしいことが少しずつ明らかになっていきます。
貫かれているのはやはり、「高い医療費を払える富裕層ばかりが優遇され、そうでない下層民たちはただただ医療の世界でまで搾取される、この現実をぶっとばせ!」というテーマ。まさに反骨。ここでも反骨、ですね。
インドの一般的なご家庭の一か月の収入は1570ルピーぐらい、というのが映画の中で出てくるのですが、そうするとたとえ5ルピーでも高額になってしまいます。
ましてや悪どい医療関係者は、時には無用の医療まで行って貧しい患者やその家族から高額の医療費をむしり取ろうとする。
ゆえにマーラン医師は叫びます。「すべての人に、無料で医療を!」と。
医療と素晴らしいマジックの技、そしていつもの激しいアクションとダンス!
どこもかしこもダレるところなどない! そしてヴィジャイさんはいつものようにチャーミングでかっこ可愛い! 最高!
ということで、もうほんと、ネタバレせずにご紹介するのはこれ以上は無理なんで、是非その目でご覧いただきたい、これまた傑作映画でした~。
ではでは、ドスティ!