30 「マスター 先生が来る!」
はいこんにちは~。
てなわけで今回は予告どおりに「マスター 先生が来る!」のご紹介です。
「RRR」を皮切りにいろんなインド映画に親しむようになったわたくしですが、SNSでちらほらといろんな情報を仕入れる中でこちらの「マスター 先生が来る!」という作品のお話も聞こえてきていました。
それと同時に「ヴィジャイさんカッコいい!」みたいなお声も。
ううむ、これは観たい。観たいぞ~!
でも数年前の作品ということで、配信などでもみつからず円盤などもなく「一体どうしたら観られるの~(泣)」と思っていたところ!
このほどドリパスで大阪での上映を計画されていることを知り、慌ててエントリー。
エントリーというのは、要するに一定数の希望者によるリクエストが集まればドリパス主催による上映が決定されるという方式がとられているから。要するにクラウドファンディング方式ってことかな? 賢いわ~。
でも実はわたくしエントリーの開始日をうっかり忘れていて、「あっヤバイ!」と思った時にはいい席はほぼ埋まっており、最前列の、しかもすんごい端っこのお席しか残っていないという状況でした(苦笑)。ああっ、痛恨!
そんな席で映画を観るのははじめてで戸惑いましたが、とりあえず当日はいそいそと出掛ける。前回も申したとおり、当日は「RRR∞Dosti PARRRTY!」にも行く予定だったので、その後足をのばしました。
映画館は大盛況。客席はほぼほぼ満席。みなさんすでにこの映画をご存じのファンのかたや、私みたいにインド映画に興味をもってはじめて観にこられた方ばかりな感じで、お客さんの質は高いしじっくり観賞できました! 中にはインドの民族衣装サリーなどをお召しのお客様も。
上映後にはあたたかな拍手までわき起こって、とてもいい上映会でした。
あちこちから「面白かった~」「ヤバいわ~!」というお声も。
さてさて。
前置きが長くなりましたが、そろそろ作品のご紹介を。
あ、ちなみにわたくしずっとタイトルを「マスター先生が来る!」だと思っていたんですがそうではなくて、本来は「マスター」というだけのタイトルらしく。「先生が来る!」は日本語版でついたサブタイトルみたいな感じのようです。ゆえに「マスター」と「先生が来る!」の間にはスペース必須です(笑)。
「マスター 先生が来る!」は、2021年のインド・タミル語作品。一応「アクションスリラー作品」と紹介されているのですが、それを事前に見ても私なんかは「???」となっていたのですが。
監督は、以前にもご紹介したことのあるステキ作品「囚人ディリ」のローケーシュ・カナガラージ監督。
主演はインド映画界の次代のスーパースターと呼ばれ「大将」の愛称を持つヴィジャイさん。「マスター 先生が来る!」はインド・タミル語映画界の寵児といわれるヴィジャイさんの64作目の作品です。
2021年にインドで公開され、その年の年間興収ランキング3位のヒット作。
こちら作品でもうおひと方、特筆すべきは、すさまじい存在感を放つ悪役である「バワーニ」を演じきったヴィジャイ・セードゥパティ(ヴィジャヤ・グルナータ・セトゥパティ)さん。こちらもまた「ヴィジャイさん」なのでややこしいのですが、もちろん別人です。
こちらのヴィジャイ・セードゥパティさんは、スター映画とは畑違いの芸術作品を中心に活動されている演技派で「タミル民の宝」と称されるこれまたすごい俳優さん。俳優だけでなく、映画プロデューサーでもあるそうです。なんと多才な!
このお二人の火花散る演技が本当に素晴らしく、目が離せない展開に。
名門の大学で心理学の教授をしているJDは、極度の酒好きでアル中一歩手前の男。やたらと喧嘩に強くて型破りな先生で、学生たちには大人気なのですが上層部のウケはよくない(笑)。
18時以降はいつも家で深酒しちゃって、大事な仕事の電話にもろくに出ません。
ある日、学生たちとJDが大学側にかけあって実施された学生会長選挙で暴動が起こってしまい、JDはその責任を問われて休職することに。その間、とある問題の多い少年院へ赴任することになります。
そこはおっそろしく荒廃した少年院でした。貧しい少年たちが、おなかがすきすぎてパンを盗んでしまった……などの少しの犯罪で収監され、収監された子どもたちは土地のギャングのボスであるバワーニ(ヴィジャイ・セードゥパティさん)に事実上支配されていました。彼らはバワーニの陰謀によって酒と薬漬けにされ、バワーニの起こした殺人などをかぶらされて刑期を延ばされ、搾取されまくっていました。
このバワーニ自身も17歳のころに両親をギャングに殺されており、その後入れられた保護施設でつらく苦しい虐待生活を強いられた結果、すさまじい腕力を身に着けてギャングの頭にのし上がった男。その冷酷非道さといったら本当に背筋が冷たくなるほど。
彼の隣に座らされた手下の男たちがおびえる様子がめっちゃリアル(実際、そのまま殺されること多し・汗)。
さて少年院にやってきたJDですが、そこには小学生ぐらいから「ほとんどもう成人じゃないの?」と思うぐらいの年齢の少年たちが集められていました。
もちろん反抗的な少年たちでしたが、JDは持ち前の型破りな行動力とダンス(!)で彼らの心をつかみ……と思ったらそれは甘かった!
バワーニの魔の手は相変わらずで、とある兄弟が彼の手からなんとか逃れようと、監視の目をのがれて必死にJDに助けを求めて電話するのですが、家にいたJDは例によって飲んだくれており、電話には出ず……。
やがてそれがバワーニの耳に入って、兄弟は悲惨なことに。
そのことを心から悔恨し、はじめて涙するJD。
その日からきっぱりと酒を断って、少年たちのためにと立ち上がります。
ほんと、主演のヴィジャイさんがとにかくカッコよくて足が長くてチャーミングで魅力的! 相手役のヴィジャイ・セードゥパティさんの演技のすさまじさがまたもうあまりにも説得力があって怖すぎる(あ、だからホラー風味もあるのね・苦笑)。
もちろんインド映画ではお約束の楽しいダンスシーンもありますし、美しいヒロインももちろんおられますよ~。
こちらも、機会がありましたら是非ごらんいただきたい作品。お勧めです!
ではでは今回はこのあたりで。
ドスティ!