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108 「銃弾と正義」

 

 はいこんにちは。

 前回は「クレヨンしんちゃん」をご紹介しちゃってましたが、今回はちゃんと(?)インドで製作された映画のご紹介に戻ります!(いや当たり前や・笑)


 主演は、すでにご紹介した「踊るマハラジャ」や「ジェイラー」でお馴染み、「スーパースター」ラジニカーント。

 というわけで、もちろん公開前から期待大でございました。

 ……んが! その期待を大きく上回る秀逸な映画になっていましたよ~!

 ともあれ、まずはデータのご紹介から。



 ○「銃弾と正義」(原題:「Vettaiyan」)

 2024年製作

 監督:T・J・ニャーナヴェール

 脚本:T・J・ニャーナヴェール / B・キルッティカー

 音楽:アニルド

 出演:ラジニカーント / マンジュ・ワーリヤル / ラクシャン / ファハド・ファーシル / アミターブ・バッチャン / ドゥシャーラー・ヴィジャヤン / ラーナー・ダッグバーティ / リティカー・シン ほか

 インド タミル語 161分 G


 今回は、なんといっても脇を固める役者さんたちが本当に豪華!

 まず「カルキ」や「ピンク」「ブラフマーストラ」で凄い存在感を見せてくださっているアミターブ・バッチャンがいるのが本当に嬉しい!

 さらに「バーフバリ」で素晴らしい敵役を演じたラーナー・ダッグバーティさんも! 今回は現代劇なのでスーツ姿なんですが、長身で手足が長くて、憎々しい悪役とはいえ本当に美しい姿を見せてくださっています。

 さらには、今回個人的にめちゃくちゃハートをもっていかれた「バッテリー(パトリック)」を演じたファハド・ファーシルさん! 日本では「ファファさん」などと呼ばれて愛されている役者さんですが、「あ、初見のかただ……」と思っていたらとんでもなかった!


 ファファさんは、すでにご紹介した映画「プシュパ 覚醒」や「ヴィクラム」でもめっちゃ活躍なさってた! 役柄がまったく違うので、勝手に別人だと思い込んでいたようです。役者さんってすごい……(これ何回目や・苦笑)。「ヴィクラム」でもファファさんすごくよかったし、「プシュパ」での役も大変印象的な役でしたし。


 さらにこれも言っておかなくては!

 音楽が! アニルド!!

 そうか、だから曲がすごくイイんだ……!(とあとでパンフレットを見て気づく)

 アニルドは「カッティ」「マスター 先生が来る!」「ジェイラー」「レオ:ブラッディ・スウィート」「デーヴァラ」と、本当に私が好きな映画を数多く手がけてくださっている作曲家。

 個人的に「音楽が印象に残る映画はよい映画」っていう信念があるんですが、アニルドは間違いなく映画の質を一段も二段も引き上げる作曲家だと思います。


 ということで、いつものようにネタバレに注意しつつ冒頭のストーリーを。

 って言ってもこれ、ネタバレしないように語るのすごく難しい……。


 舞台はインド・タミルナードゥ州の最南端にあるカニヤークマリ県。

 ラジニカーント扮するベテラン警察官、アディヤン警視は、捜査中、凶悪犯罪を犯す者が攻撃してきた場合にその場で撃ち殺す「エンカウンター(映画の中では「特例射殺」と訳されています)」をしばしば行うことから、「狩人」と呼ばれて恐れられています。


 カニヤークマリでは傍若無人なギャングがドラッグの流通で儲けており、これを公立学校に勤める女性教師サランニャが勇気ある告発をしたことで事態が動きます。犯罪者を追い詰める中で、アディヤン警視はいつものように「エンカウンター」を行い、犯罪者を射殺。

 犯罪を告発した教師サランニャは国内でニュースになり、人々から賞賛され、希望していた転勤がかなって州都チェンナイの学校に転任します。ところが彼女はある日、学校内で何者かに襲われ、性暴力を受けた上で殺されてしまうのでした……。


 物語の中心にあるのはこの「エンカウンター」。人権派の判事であるサティヤデーブ(アミターブ・バッチャン)はこれに懐疑的で、この手法を鋭く批判しています。というわけでアディヤンとは対立。

 しかしサランニャの殺害犯を追い詰める中で、次第にアディヤンの信念はゆらぎはじめ……。


 いつものような「この人こそヒーロー!」「完全無欠のヒーロー!」みたいな手法はとられず、むしろ判事やアディヤンの対立や確執、信念と信念のぶつかり合い、ほかの登場人物たちとの人間模様、そして「エンカウンター」に対する真摯な批判的視線……と、比較的バランスのとれた質のいいヒューマンドラマを観せていただいたという感じ。全体に重厚で誠実なつくりで好感がもてました。

 そしてそして……ファファさん演じるアディヤンの協力者の青年バッテリー(パトリック)ががが……すんごく魅力的! 有能なのに可愛くて、細く見えるのに意外とケンカも強い! 

 なんでしょうね、インドの俳優さんって、どこかに必ず「可愛さ」を持っていてそれを爆発させる瞬間がめちゃくちゃ魅力的なんですよね~。


 ということで、まだ上映されていますし、是非こちらもご覧いただければ!

 ではでは、ドスティ!


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