12月26日 二人の尚也
まさかの尚也。この前あったのが、園田。そして、今日が鈴木。ややこしいな、ホントに。私と尚也は、東京から長野県へ向かう途中だった。電車の隣同士に座っている私たちは、いつものようように話していた。尚也は、嘘をつかない。素直で真っ直ぐな男だった。二人の尚也と知り合いの私はめずらしいのだろうか?
私 「昨日会ったよ」
尚也「誰に?」
ガムを噛みながら私の話を聞いていた。
私 「園田尚也」
尚也「えっ、まじ?」
私も昨日、同じ気持ちになった。
私 「そうだよ」
尚也「知り合いなの?」
私 「いや、初めて知ったよ」
尚也「へぇー。最近会ってないな」
聞いてみるか迷った。でも、気になったらそうするしかなかった。
私 「なんで苗字違うの?」
尚也「離婚したんだよ」
私 「あぁ、そういうことか」
納得がいった。それなら、苗字が違っていてもおかしくないな。
尚也「小1まで一緒にいて、そこからかな」
私 「やっぱり、一緒がよかった?」
尚也「うーん?わかんないよね、なんとも。いたら、今みたいになってないかもしれないし」
私は、ゆっくり頷いた。
尚也「小野田は、親とかに対してなんとも思わないの?」
私 「親には、あんまり興味ないかな」
尚也「へぇー。そうなんだ」
親に興味がないということは嘘ではなかった。なんか、物心ついた頃から、親というものに、あまり興味がない。嫌いではないけど、好きでもない。好きじゃない理由は何なのか?
私 「興味あるの?」
尚也「俺は、お母さんだったから。お父さんがいたらなとは、思うけどね」
私 「そうなんだ、今まで私は知らなかったな」
尚也は、何に対しても明確な考えがある。それが彼の魅力なのかもしれない。
尚也「俺さぁ、大学でも野球頑張りたいんだよね」
私 「すごいね」
尚也「野球ってさ、簡単にできるように見えるんだけど難しいんですよね」
もうすぐ長野県に入る。
私 「そりゃあ難しいでしょ?」
尚也「一人じゃ、野球は成立しないんだよね。それがなんとも言えないんだよね」
私 「サッカーとか他のスポーツとは違うの?」
尚也「似てるとは思うけど、文化が違うかな」
私にとっては、どちらもスポーツという同じ括りなんだけど、どっちも同じように思う。すると、電車からアナウンスがなった。




