10月24日 ショッピングモール
今日は、学校が休みだったのでゆっくりできた。毎日のように行われる文化祭練習に飽きていた。来週からは、よりハードになるだろう。学校に行くのが本当に憂うつに感じている。クラスには、秋葉や三浦といった陽キャな子もいるから、余計しんどく感じるのだろう。後、5ヶ月ほどの辛抱だと言い聞かせていた。
ー10月20日ー
私たちは、電車から降りて、ショッピングモールを目指して歩き出した。
私 「やっぱり帰ろっかな」
話は、長野への帰省についてだ。
翆 「帰りたくなってきたの?」
私 「少しね」
翆 「帰れる時に帰っとかないと」
私 「そうねぇ」
どうするか迷っていると、目の前に大きな建物が見える。
翆 「ここかぁ。大きいね」
私 「ホントに大きいな」
自動ドアで扉が開いた。一気に涼しい風が入ってくる。
翆 「すごいなぁ。キレイ」
私 「これ、どこから行こっか?」
翆 「うーん、迷うな」
外からみても大きかったが、中に入ってみると、とても高く感じる。私たちは、案内カウンターの横にあるフロアガイド図を見ることにした。
翆 「どこから行く?」
私 「スマホのカバー見たいんだけど、いける?」
翆 「いいよ、じゃあ、2階だね」
私たちは、2階のスマホケースを並べる店に入った。
翆 「いろいろあるね」
私 「これ、可愛いな」
私は、青色のスマホケースを見ていた。両サイドにはピンク色も混ざっている。
翆 「可愛いね」
私 「うん」
翆 「それ買うの?」
私 「買おうと思ってる」
すると、私たちの前方に男の子3人がいることに気がついた。
翆 「あー」
私 「どうしたの?」
翆 「あれ、私の好きな人」
目の前にいたのは、さっき翆が言っていた柏第一学園の生徒の様だ。
私 「話かけてきなよ」
翆 「無理だよ」
私 「名前なんて言うの?」
翆 「名前?」
翆は、動揺していた。
私 「うん」
翆 「遠山陵」
私 「私、話しかけていい?」
翆の表情を見ながら、なぜか話しかけたいと思う自分がいた。
翆 「やめてよ」
私 「いいじゃない、楽しそう」
翆 「ホントにやめてよ」
露骨に嫌な表情をしていた。このチャンスを逃したら、この人には会えないだろうと思った。すると、勝手に体が動き気がついたら男の子の前に来てしまっていた。