12月12日 理由
もうすぐ夕食だったが、お父さんは帰って来ていないみたいだった。
私 「今日も遅いの?」
お母さん「うーん。今日は、連絡きてないみたいね」
お父さんのことが気になっていた。
私 「ふーん」
お母さん「気になるの?」
私 「そういうのじゃないよ」
素直にお母さんの言うことを聞けなかった。
お母さん「お父さん、今度長野行くって言ってたよ」
私 「なんで?」
お母さん「知らないよ」
知らないはずなんてないはずだ。
私 「絶対、なんか知ってるでしょ」
お母さん「さぁね」
言葉を濁した。
私 「お母さんって、お父さんにあまいよね」
お母さん「そんなことないよ」
私 「私には、そう見えるけどね」
表情が曇った。
お母さん「じゃあ、どうしてほしいの?」
私 「もっと、ダメなところは注意しないと」
お母さんは、明らかにトーンが変わっているように感じた。
お母さん「何注意したらいいの?」
私 「例えば、仕事辞めたこととかさ」
お母さん「また、その話?深雪もしつこいね」
少しお母さんの態度に驚いてしまった。しかし、そんなので私の意見は変わらなかった。
私 「うるさいから」
お母さん「そんな昔のこと毎回毎回、出さなくていいでしょ」
何かを私に伝えたいように感じた。
私 「別にいいでしょ。私が思うことくらいは」
お母さん「あのね、深雪」
さっきよりさらに表情が曇る。
私 「‥‥」
何も言えず見つめるしかできない。
お母さん「お父さんのことを不満に思うのはいいけど、その思っていることが正しいかどうかはわからないからね?」
前髪を触りながら言い返した。
私 「どういうこと?」
お母さん「さっき言ってた仕事の話もそうだけど、深雪の視点しか見てないでしょ?」
つまり、お父さんの言い分もあるということか?
私 「何が言いたいのよ?」
お母さん「仕事辞めた理由聞いたことある?」
私 「飽きたからでしょ?」
当時のお父さんからそう告げられた。
お母さん「違うよ」
私 「‥‥‥」
まさか、、、、。
お母さん「その理由が聞きたかったらちゃんとお父さんに話しなさい」
私 「うーん」
お母さん「じゃあ、お母さんは今から洗い物するから」
モヤモヤした気持ちを抱きながら、私は歩き出した。




