12月11日 許さない
勉強がひと段落したこともあり、お母さんと話をしていた。夕食を食べ終えた私たちは、それぞれくつろいでいる。スマホを見たお母さんはつぶやいた。
お母さん「今日、お父さん遅くなるって」
私 「遅くなるの?」
あんまり興味はなかった。
お母さん「うん。残業らしいよ」
私 「ふーん」
お父さんが何をしようが関係ない。
お母さん「どうしたの?」
私 「いや、なんでもないよ」
何かを感じたようだ。
お母さん「最近、お父さんと話してるの?」
私 「いや、そんなに話してないかな」
素直に答えた。
お母さん「もっと話したら?」
私 「なんでよ」
たしかに、うちの家族は仲がいいわけではなかった。
お母さん「お父さん心配するでしょ」
私 「私は、勝手にこっち来たこと許してないから」
昔のことを掘り出した。
お母さん「そんなこと言わないの」
私 「だってムカつくから」
どんな気持ちで私の話を聞いているのだろうか?
お母さん「もう、許してあげたらいいじゃない」
私 「嫌だ」
お母さん「そんなことしてても、変わらないでしょ」
私 「いいの」
私は、自分の納得がなければ、人の話を聞かないことに決めていた。たとえ、それがお母さんやお父さんであっても変わらない。
お母さん「お父さんもやむを得なく辞めたんだし」
私 「知らないよ。私には」
昔から、ずっとそのセリフをお母さんは言っていた気がする。
お母さん「許してあげてよ」
私 「別にいいじゃん。一緒にいることは変わらないんだし」
お母さん「そうだけど」
私もお父さんが嫌いというわけではない。その件に対してだけ怒っているのだ。
私 「あっ、今度長野戻るから」
話を逸らした。
お母さん「いつ?」
私 「うーんと、26か27くらいだった気がする」
みんなに会える日が待ち遠しかった。
お母さん「何しに行くの?」
私 「美桜とかに会うの」
お母さん「あー。美桜ちゃんね」
昔から、美桜のことをお母さんは気に入っていた。
私 「だから、その日は、おばあちゃんの家か友だちの家に泊まるから」
お母さん「わかったわ」
長野に戻ることをお母さんは、どう思っているのだろうかはわからなかった。




