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日常で世界を変える(小野田編)  作者: mei


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11月21日 篠木七海

 私は、9年前の写真を見返していた。銀色のメダルをかけていた私の横にいたのが篠木七海だった。最近まで全く見てなかったけど、久しぶりに見てこんな子もいたんだと思い出した。小学校の記憶なんてほとんどない。記憶のほとんどが美桜だった。


 ー9年前ー


 永利市の代表チームに、私のボールが通用するのだろうか?おそるおそるボールを投げていく。ゆっくり、ボールは次々とフェアグラウンドに飛んでいく。しかし、どれも打球は選手の正面に。そして、3番の打球は、レフトの坪内がキャッチしスリーアウトのチェンジとなった。

 思ったよりも速かった。こんな簡単にチェンジとなるとは、、、、。私は、手を叩きながらマウンドから降りていった。ベンチに帰ると、みんながハイタッチのための手を差し伸べてくれた。みんなの手、手の先に浮かぶ笑顔がどこか心地よかった。

 私は、グローブを置き、ペットボトルに手を取った。まだ、2回だというのに、ペットボトルの水は残り2杯くらいだった。慌てて飲む量を減らそうと考えた。私は、少しお茶を入れ、バッターボックスに入った5番の中川を見つめた。ネクストバッターサークルには、星村がいた。

 そう言えば、この試合勝ったら、県代表になるって言ってたな。ソフトボールなんて、そこまで興味ないし早く終わらないかぐらいの感覚で試合と向き合っていた。こんなことでいいのかな?勝手に自問自答を続けていた。打席の中川は、三振を喫してベンチへと戻ってくる。ドンマイ!ドンマイ!手を叩きながら声を出していたのは篠木だ。

 この子は、ソフトボール経験者でもキャプテンでもなんでもないのにとてもリーダーシップを発揮していた。何者だろうか?この子は?前のめりに試合に熱中していた篠木が羨ましかった。

 前のめりに応援するこの子。普段、全く話をしたことがない。そもそも、同じ学校だということすら知らなかった。私は、ホワイトボードに書かれた"7番サード篠木七海"という文字を見つめていた。私は、この子が何者なのか全く理解することができていなかった、中川に続いて、星村も三振して戻ってきた。

 そして、バッターボックスには、篠木が入った。どうやら、篠木は、初めてバットを持つようだった。バットを構えず、ゴルフのスイングをするかのように下でバットを持っていた。ピッチャーの夢木は、素人の篠木に関係なくボールをなげこんだ。

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