10月21日 宝来海斗・世田優斗
それにしても、昨日の疲れはなかなかとれない。翆も大丈夫だったのだろうか?
ー10月20日ー
私たちは、恋愛の話しを続けていた。
翆 「誰なの?」
私 「言ったってわかんないじゃない」
翆 「まぁ、一応ね」
不服そうに私の方を見ていた。
私 「そうねぇ、、。2人いるのよね」
翆の表情を見て、渋々答えた。
翆 「2人もいるの?」
翆は、口に当てていた手をほどいた。
私 「そうなの」
翆 「付き合ったことある人?」
私 「いや、どっちもないよ」
翆 「そうなんだ。どんな人?」
どんどん質問をしてくる翆にペースを握られていた。
私 「1人は、ヤンチャでサッカーが好きな子。もう1人は、静かで読書が好きな人」
ヤンチャでサッカー好きな子とは、宝来海斗。静かで読書が好きな人は、世田優斗。
翆 「真反対だね」
私 「意外と合わないもんだよね」
たしかに。二人の性格は、反対だ。
翆 「もうちょっと、一貫してるものかと思ったけどね」
私 「そうだよね。自分でもわからないんだよね」
翆 「じゃあ、どっちの方が好きなの?」
どちらが好きって言われてもな?
私 「うーん。どっちもかな」
翆 「いや、それズルイよ」
私 「そうかな?ハハハ」
自分でもどちらかよくわかっていなかった。
翆 「どっちも連絡とってないの?」
私 「とってないね。サッカーの子は、連絡先はあるんだけど、読者の子は連絡先すらないかな」
小学校を卒業してから、二人の話を聞いたことはない。今では、全く別の性格になっているかもしれない。
翆 「連絡先あるんだったら、その子にアプローチしたらいいじゃない?」
私 「無理だよ。もう何年も会ってないし」
翆 「だからこそ、いけるんじゃない?」
私 「だめだめ。だって付き合ってるかもしれないし」
私の体が拒否反応を示した。
翆 「その子は、カッコいいの?」
私 「うん。カッコいいよ。普段は静かなんだけどね」
小学校の頃は、まるでヒーローのような輝きだった。
翆 「そういう子は、余計カッコよく見えるね」
私 「だね」
翆 「その子が付き合ってるのか知らないの?」
私 「まったくだね。好きな子が彼氏いたらショックだしね」
翆 「カワイイところあるじゃない、フフ」
私 「うるさいー」
照れ笑いを手で隠しながら、翆に言った。