11月12日 藤岡舞
長髪で小さな顔をした女の子がスマホから見えた。彼女の名前は、藤岡舞。美桜、那奈、林、世田くんと同じクラスだ。特に林と仲が良くいつも一緒にいるみたいだ。
彼女の参加は、あまり想定できなかった。それもそのはず、彼女とはほとんど面識がなかったからだ。那奈、楓、林までは来る可能性があると思ったが、藤岡に関しては、スマホ上の写真しかなかった。その写真は、美桜からもらったものだった。美桜には、ずっと会ってみたらどうかと言われていた。でも、なかなか彼女に会うチャンスはほとんどなかった。
私が会ってみたかった理由は、美桜からの推薦だけではない。藤岡っていう女の子が東京出身者だからだ。私や翆は、彼女のことは知らないけど、何か通じ合うものがあるんじゃないかと思っていた。
私 「翆、こっちこっち」
翆 「ああ、ここか」
翆は、あちこち見渡しながら、私に返事をした。
私 「迷った?」
翆 「うん。一回目来た時より、遠くてね」
ここは、遠山たちと前会ったショッピングモールだった。
私 「そうだな」
翆 「ここ、この前とだいぶ違うよね」
たしかに、前来た時と比べると、店が閉まっているし、新しくエレベーターも作られていた。
私 「たしかにね。それより、遠山くんと連絡とったの?」
翆 「うん。明日、17時だって」
まさか、明日、翠と遠山くんが会うなんて。
私 「結構、緊張するね」
翆 「そうなのよ」
二人が付き合えたらいいな。
私 「どうする?」
翆 「深雪も来てくれるでしょ?」
私 「行かないよ。私は」
私は、翆が少しでも楽しんでくれたらそれでいい。
翆 「えー。来てくれないの?」
私 「だって、めんどくさいし」
ここは、前に来たスマホカバーが売っていた店だ。
翆 「いや、明日は来てもらうから」
私 「えー。めんどくさいよ」
私は店を横目に歩き続けた。
翆 「お願い。遠山くんだけじゃないから」
私 「そうなの?」
私たちは、二人で話をしながらエレベーターが来るのを待った。
翆 「うん」
私 「誰がくるの?」
翆 「この前来てた長内くんもくるよ」
どうやら、一人じゃないらしい。
私 「そうなんだ」
翆 「だから、来て」
私 「わかったよ」
私たちは、エレベーターに乗って上を目指した。




