11月2日 お母さん
翆は、いつもより元気がないみたいだった。私も、文化祭の練習で苛立っていた。もうすぐ、昼休みも終わるし、そろそろ移動をしないといけない。
翆 「明後日の文化祭はどうするの?」
私 「うーん。どうしようかな」
今日は、体育館の2階で話をしていた。
翆 「迷ってるんだ」
私 「だって、クラスでの拘束時間長いでしょ?」
文化祭当日は、朝から集まるクラスが多い。合唱練習や出し物の準備をしているからだ。
翆 「そうね。私も朝から集まるみたい」
私 「でしょ?」
翆 「まぁ。でも、終わったら休めるじゃない?」
文化祭が終わると、一日代休があり、休みがもらえるのだった。
私 「たしかに。代休、遊びにいこーよ」
翆を誘ってみた。
翆 「ごめん。その日、予定あって」
私 「えー。おもしろくない」
やっぱり、翆の前だとなんでも素直に言ってしまえる。
翆 「ごめんね」
私 「予定って、何あるの?」
深く詮索してみた。
翆 「その日、お母さんと出かけるの」
私 「お母さんと何するの?」
翆 「お母さんが病院行くらしくて」
病院、、、、かぁ。
私 「そうなんだ。どっか調子わるいの?」
翆 「心臓が悪いらしくて。大きい病院で診てもらうの」
心臓の病気?心臓の病気といえば、心不全や心筋症などがある。大丈夫か心配になってきた。
私 「それは、行かないとだね」
翆 「ごめんね。また、空いてる時いくよ」
私 「ううん。こっちこそゴメンね。忙しい時に」
翆のことも考えずに話していたのが申し訳なかった。
翆 「でも、うちの親、深雪のこと好きなんだよね」
私 「そうなの?」
翆 「うん。だって、いつも深雪の話してて」
まさか、翆のお母さんにそんなことを言われてるなんて知らなかった。
私 「冗談やめてよ」
翆 「いや、冗談じゃないよぉ」
私 「ほんと?」
体育館の中に、3年生の女の子が入ってきた。
翆 「うん。いつも深雪と話したいって言ってたし。また、家に来ないかなって」
私 「えー。意外。いつでも行くから、お母さんに言っといてよ」
励ますためにも、早く翆の家に行きたかった。
翆 「うん。お母さんに言っとくよ」
私 「私も翆のお母さんに会いたいし」
体育館に入ってきたのは、同じクラスの木下と山田だった。




