11月1日 妄想
やはり、屋上から吸う空気は、どこかと違う気がした。文化祭の練習に飽きた私は、教室から飛び出してきていた。そう言えば、今日から11月に入った。しかし、11月とは思えないくらい暖かった。
翆 「何してんの?」
私 「いや、もう文化祭練習疲れてね」
ホントに、文化祭が終わってほしかった。
翆 「たしかにめんどくさいよね」
私 「もう、めんどくさすぎて」
翆 「まぁね。でも、あとちょっとだし」
私の方を見ながら、なだめてくれた。
私 「それより、あれから遠山くんと連絡とってるの?」
あの日、私たちは、翆、遠山、長内、片山の5人でスポーツパフェで遊んでいた。スポーツパフェは、文字通り、スポーツをしながらパフェを食べるところだ。あの日は、ミニバスとフットサルとバッティングセンターの3つで遊んだ。
私たちは、初めてとは思えないくらい、とても和気あいあいと遊んでいた。翆の好きな遠山は、高校3年生まで、野球部だったらしい。さらに、転校するまでの学校が私の実家と近くの場所だった。私は、翆や遠山には言わなかったが、遠山という男の子にとても親近感が湧いていたのだった。
もしかして、彼と仲良くなれば、今の向こうにいる人たちのことも聞けるんじゃないかと思った。私には、美桜がいるからそんなだけど、美桜の様子とかも聞けるし、みんなで遊ぶなんてこともできると考えた。おそらく、彼が通っていた学校は、おそらく、聖徳高校。美桜と同じ。美桜が言っていたBIG3とやらもそこにいるんだろう。
翆 「ちょっとだけね」
私 「でも、彼女いたんだよね?」
あの日の遠山を見ていると、モテても仕方がないくらい面白かった。イケメンではないけど、優しくて気さくに話をしてくれていた。私のタイプではないけど、翆が惚れてしまう理由は理解できる。
翆 「そうそう。とてもじゃないけど、入りこめる余地はなさそうだったね」
どこかガッカリした翠の表情だった。
私 「そんなになんだ」
翆 「うん。付き合って1年半くらいなのかなー。わからないけど」
付き合って1年半かぁ。でも、新鮮味がなくなっている頃でもあるんじゃないかな。勝手に妄想を膨らませていた。
私 「恋愛の話とかもしてるの?」
翆 「ちょっとだけね」
奥手の翆のことだから、ストレートに聞けてないんだろうなと想像してしまっていた。




