10月19日 帰省
私は、学校の支度をしながら、スマホで返信をしていた。返信相手は、長野にいた寺崎だ。私は、小学校6年生までしか長野の八代市にはいなかったから、今の八代市がどういう状況かわからない。そんな中で、寺崎は、小学校から仲良くしている友だちだ。引っ越しをしてからも、ずっと連絡をくれていろいろ教えてくれる。今年の夏には、東京にも足を運んでくれて遊んだこともあった。そんな寺崎も、東京の大学を進学希望しているから、もしかしたら、これからもっと会えるんじゃないかと期待していた。
ここ、東京は、小学校までいた長野とは、少し違う空気が流れている。人混みの場所は多いし、ビルもたくさん並んでいる。山や川なんて、なかなか見つからない。歯磨きを終えた私は、学校に持って行く物をカバンにつめこんでいた。私は、自分の部屋を出て、洗面所に向かった。すると、お母さんがやってきた。
母 「今日、遅いの?」
私 「今日、帰るの遅くなる」
私は、髪の毛をセットしながら話した。
母 「今日って塾?」
私 「そうなの。授業終わって、自習して帰るから」
鏡に映った自分の顔を見ながら答えた。
母 「体調には気をつけなさいよ」
後ろから、母の声が聞こえた。
私 「わかったよ。お母さんは、今日何時までなの?」
母 「今日は、早く上がるから5時くらいには帰ってくるよ」
私 「ふーん」
お母さんは、仕事で遅くかえってくることが多い。
母 「深雪、今度、おばあちゃんの家行くけど、どうする?」
おばあちゃん家かぁ。久しぶりだな。
私 「なんで行くの?」
母 「最近、調子悪いらしくてね」
母の言葉を聞いて、すぐにふりかえった。
私 「そうなんだ」
母 「ちょっと様子見てこないと心配なのよ」
それは、私も心配だな。昔、たくさん可愛がってくれてるからなぁ。
私 「いつ行くの?」
母 「10月の27日からよ」
一週間後くらいかぁ。
私 「何日いるの?」
母 「月曜日までには帰るよ。じゃないと、アンタ学校いけなくなるでしょ」
私 「そっか。ちょっと、考えてみていい?」
24日は、予定があったと思うから、その予定を変えれるかみてから返事することにした。
母 「うん。行くんだったら、また教えて」
私 「わかった」
私は、母が作ってくれた弁当を持って、カバンの中に入れた。