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第77話 開始

「……おはよう」

私は目をこする。

「お、姉さんおはよう」

アーノルドは相変わらず先に起きていた。


よかった……今日永続的に寝られたらどうしようと思ったよ……


「……カムレアは……?」

私は言う。

「んー? まだ起きてきてないみたいだな」

「そっか……」




***




「はぁ、はぁ、はぁ」

カムレアは湖に身をかがめて、呼吸を荒くしていた。


「……お辛そうですね」

グラウがやってきた。その様子に驚いて、カムレアは一瞬身構えたが、グラウだと気付き、手を下ろす。


「……どうなさいました? カムレア様」

「いや……別になんでもないです」


「そうですか。少し質問をしてもよろしいでしょうか」

グラウは言う。


「……なんですか?」

「カムレア様はレーンワイズ家をご存知ですか?」


「…………もちろん、知るわけないじゃないですか」

カムレアは笑う。

「……はぁ、初めて貴女に会った時から思っていたんですけど、貴女、()()()に似てますね」


「そうですか……やはり我に似ていますか……」

グラウは目を伏せる。


「貴女、本当に何者なんですか?」

カムレアは言う。


「ふふ、気になりますか。ですがそれはお互い様でしょう?」

「…………はぁ、ほとんど見当がついてるくせに……わかりました。オレの話からでいいですね?」


「もちろんです」

「じゃあ…………






***






村の中、剣を準備しながら、

「……はぁ」

ローガンはため息をつく。

「どうなさいました?」

隣で食料の確保をしていたガルダが言う。


「いや、その……実は私、少し……いや結構緊張していまして……」

ローガンは恥ずかしそうに言う。


「大丈夫ですよ、まあ、儂が言うことでもないですが」

「いえいえ! とんでもございません。今までこの村の人々が生きてこられたのも、貴方が転送魔法を使えたからです」

ローガンは言う。


「そうでしょうか……そうなら……少しでもキャスリーン様たちのお役に立てているならば、嬉しい限りでございます」


「はい。きっと、いや、絶対、ガルダ様はお役に立っておられます」




***





ドレスを着て、中に短パンを履き、ドレスのスカートの部分の真ん中を裂く。その上から瞬発力の向上のため、なるべく軽量にした銀色の鎧を纏う。スカートの裂いた中とズボンの間に鞘をつけ、カムレアにもらった、あの剣を入れる。


「……ふぅ」


ショートに切ってからだいぶ伸びた髪は、ポニーテールにする。


「準備……できた……」

少し緊張感のある空気の中、部屋を出ようとドアノブに手をかける。


もしかしたら、この部屋に戻ってくるのもこれが最後かもしれない。私たちが生きて帰れる方法はただ一つ。勝つことだけ。戦場で殺されなくても捕らえられれば必ず死刑になることは明白。だから……


私は花のブローチを胸元につける。


そのまま、部屋を出て行った。




村の広場へ行くと、大勢の人が集まっていた。そこには武装をしたアーノルドやカムレア、グラウやローガンさんもいた。


「私から言うべきことはただ一つ。必ず生きて帰ることが第一目標とする。つまり、生きて帰るために勝とう!!」


『おぉぉぉぉおお!』





***





昼の13時


私たちはガルダさんの魔法の力で城前に飛ばされた。村人の中には留守番をする人々もいるし、この城の前で待機する人々もいる。総じてそこまで戦えるわけではないため、生存確率の高いこの方法を取ることとした。


「……」

ピリピリとした緊張感が空気中を漂う中、私たちは城へ乗り込んだ。



小さい頃、憧れていたお城。そんな中を走る。すると、急に前の右側の壁が崩壊した。


「っ!」

 すると、そこから白い外套を羽織った騎士が現れた。


あの顔には覚えがある。剣の学校で見た、聖騎士団二番隊隊長の……


「ヴァラン・シュリデン……!」

 私は息を呑む。


「やぁ、久しぶりだね、……キャスリーンと言ったかな? それにもう1人の男の子まで一緒とは……」


「さて、何をしに来たんだい?」

ヴァランは笑う。


「……そこをどいてください」

「聞こえないね!!」

「どいて!」


「……先に行ってください、ここは私が食い止めましょう」

ローガンさんは前に出る。


「……っ! わかりました……。気をつけて下さい……」


 傭兵さん1人なら、ヴァランには勝てない。そう、私の頭が訴えかける。でも、そんなことは傭兵さんもわかっているだろう。ローガンさんの方を見ると、覚悟は決まったかのような顔をしていた。


「……はい……」

 私たちはそのまま、ローガンさんを置いて走る。

 どうか、無事で……!




 ***




また、数分後、前に誰かが立っているのが見えた。


おかしい。あまりにも対応が早すぎる。本当に、私たちが今日攻めてくることを()()()()()()()()()……。


 白いマントを身につけている、騎士のような男が1人。大弓を構えている。


 そのまま、騎士は弓を放った。アーノルドは私たちの前に出て盾を構えて放たれた大弓を耐えて見せた。


「ここは俺がなんとかする! お前たちは先に行け!」

 アーノルドは言い放つ。


「……わかった……。アーノルド、絶対に生きて戻るんだよ……!」

 私たちはそのまま、走り出す。




 ***


「行ったか……。さて、久しぶりだな、シバァル」

 アーノルドは騎士の方に顔を向ける。


「ふふ、久しぶりだね! 我が友、アル……いや、本名は『アーノルド・アークリー』か……」


「……ちっ」

(こいつ……なんで俺の名前知ってるんだ……)


「友に剣を向けたくはないが、これも王のため……。聖騎士団が1人、アシバァル・ソレイア。参る!」

ありがとうございました! もうすぐ完結なので、今日から毎日更新します!よろしくお願いします!

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