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第52話 作戦

いつもより、1時間早い投稿です!

「……ん」

 カムレアは目を覚ます。すると、そこには、サペとハズキとナミがいた。


「起きた! 大丈夫でしたか?」

 ハズキは聞く。


「は、はい……。オレは……?」

 カムレアは頭を押さえる。

(倒れたのは覚えていたけれど、何で倒れたかは覚えていない……。ここは……オレとサペくんの部屋だね。誰かが運んでくれたのか……)


「カ……ごほん! ノア……!? 起きたんだね!?」

 という、聴き慣れた声がした。

 そう。リーンである。


「無事でよかった……!」

 リーンはカムレアに抱きつく。


『!?』


「ちょっ、リ……レイラ!」

 カムレアは顔を真っ赤にしている。もっとも、リーンはそれどころではないのだが。


 リーンからしたら、急にガルダさんが来て、『話してたら途中で音信不通になったが不安すぎたので早く行きましょう』と言われて(要約)すぐにこっちに来たら木の下でカムレアが倒れていたのだ。

 それに、他の友人らしき人たちからは『ノア』なんて呼ばれていたのだから、不安にもなる。


「……レイラさんとおっしゃりましたっけ? 少し、離れていただいてもよろしいですかね……?」

 ハズキは怒りオーラを出す。


「……! す、すみません……」

 今になってやっていることが恥ずかしくなったリーンは縮こまり、カムレアを離す。


「あ、の、ノア様とはどのような関係で……?」

 ハズキは聞く。


「え……? えっと……」

(な、なんだろう……。友達……じゃないし。私が王妃だった頃は主従だったけど、今は違うし……)


「えっと……一心同体?」

 リーンは困りながらも何とか捻り出した答えを言う。


「……な……!」

 ハズキは後退りする。流石にというか、今になってやっとハズキの気持ちに気づいたサペも、微妙な反応をしている。


「というか! なんという可愛さなのでしょう! お友達になりませんか? (わたくし)、ナミと申しますわ!」

 ナミはリーンの手を取る。


「え? え? よ、よろしく……」

 リーンは困惑しながらも言う。


(な、ナミさん〜! 裏切りおったな!)

 ハズキは思う。


「と、ところでレイラさん、何をしにこちらまで?」

(流石にこんなに可愛い子が剣術なんてやるはずないし……。あ! 私が勝っているところ、あったじゃん! 本当に、クラスでは最下位間近だけど、剣術できるもん! やったー!)


 ハズキは心の中でガッツポーズをする。


 [えっと、それは……カムレアからの呼び出しが]と言おうとしたところでカムレアに遮られた。


「彼女はオレのことが心配になって、ただ見にきてくれただけだよ」


「……!」

(分かったよカムレア。言ってはいけない案件なんだね!)


(……心配になって、同年代の子の学校に押しかける……? めんどくさい彼女か!?)

 ハズキはツッコミを入れる。


「ごめん、皆、ちょっと席、外すね」

 カムレアはそう言い立ち上がる。そして扉の近くまで行くと立ち止まり、後ろを見る。


「どうしたんですか?」

 ハズキは聞く。


「早く行くよ、レイラ」

 カムレアはそう言い、扉から出ていった。


「あっ、ちょっと待ってよ〜!」

 リーンは後を追いかける。


「……な、なんだって?」

 ハズキは驚く。

(1人で席を外すんじゃなくて、2人で一緒に内緒話ですか!? 全く……!)


「あ、あのさ、ハズキさん……」

 サペは言う。

「強く生きろよ……」


「う、うるさいです〜!」

(そういえば、この人、私と血が繋がっていること知らないんだった! 後で教えてあげよう!)




 ***

 3階 端っこの廊下




「ふむ、なるほど。騎士団の人が教えにくると……。って、それってやばくない!?」

 リーンは慌てふためき始めた。


「だからそう言ってるじゃん! ちょっと、レイラ! 落ち着いて!」



「……コホン、じゃあ作戦だけど、どうするの? なにか決まっていることとかある?」

 リーンは聞く。


「そうだね……。オレ的には、リーンの魔法で顔を変えてもらって出るのが一番安全かなって思ってて……。できそう?」


「……うん。多分大丈夫だと思う。問題は、『この顔の人がカムレア本人だ』って言い張るわけでしょう?なら、他のクラスメイトが黙っているはずがないよね。どうするの?」


「……そこだよねぇ……」

 カムレアは言う。


「じゃあ、こうすれば!? さっきいた、あの3人には事情は話しているの?」

 リーンは人差し指を立てる。


「う、うん。もちろん、本当のことじゃないけど、そういうような理由は……」


「何て言ったの?」


「それは……」




 ***




「なるほど……。なら、それをクラスの皆にも伝えればいいんじゃないかな?」


「……信じてくれるかな……。それと、協力してくれるかが……。このクラス、なんていうか、性格が悪い子が多いんだよね……」

(サペくん、いじめてたし……)


「そ、そうなんだ……。こっわ……。あ! じゃあ、こうするのはどう!?」


「?」


「私が、転校生としてやってくるの!それで、『私もカムレアの境遇を知ってますよ〜』って言って、信憑性を持たせるの!」



「ま、まあ、それなら確かに……。いや、やっぱり、だめだ!」

 カムレアは言う。


「なんで?」


「だって、危険じゃないか! 君も、騎士団員に素性がばれてしまったら危ない!」

 カムレアは言う。


「……そっかぁ〜。じゃあ、本音言ってもいい?」

 リーンは言う。


「? うん……」


「私も、騎士団の人に剣術、教えてもらいたい!」

 レイラは言う。


「な……。でも、それはわかる」

 カムレアも言う。


「だよね! もう、本当! カムレア、ずるいぞ〜!」

 リーンはカムレアを叩く。


「う〜ん。なら、大丈夫かな。リーンも顔を変えて、名前も変えて授業を受けるぐらいなら、バレないよね?」

 カムレアは言う。


「うん! もちろんだよ!」

 リーンは目を輝かせる。



「……不安だなぁ……」

ありがとうございました! 続きは明後日です!

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