表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/92

第34話 謎の集落

夏休みで暇になったため、この一週間(7月9日〜7月15日)だけ、毎日投稿をしたいとおもいます!


また、時間がありましたら、毎日投稿するかもしれないので、よろしくお願いします!

 それから、1日がすぎて、今日は作戦の決行日となった。


「……準備はよろしいですか?」

『はい……』


 私たち3人は緊張した面持ちで頷く。


「では、行きます!」


 また、ガルダさんは右手の杖を少し上にあげる。『ピカっ』と周りが光り、反射的に目をつぶると、そこはもう、見知らぬ草原だった。


「では、これで失礼します……」

 そう言うとまた光り、眩しさが消えた時にはガルダさんはいなかった。


「どうする……?」

 周りを見回す。少し行った正面は壁のようなもので囲まれている。門のようなものがあるため、おそらく我が国にあったような、城壁というやつだろう。


「おそらく、あそこがこの辺りで一番大きい街、『ヒィオレ街』でしょう」


 私たちは城壁の前までやってきた。門の前に兵士が二人、検疫をしているようだ。


「そこの者たち、止まれ!」

 私たちのことだろう。私たちは立ち止まる。


「どこから来た者だ?」

「ええ、私たちはヴェルソビア村の者ですわ」


 ヴェルソビア村とは、一年前からつい先日まで暮らしていた、あの村のことだ。


「……ふむ、いいだろう。通れ」

「ありがとうございます」


 私たちは門をくぐる。そして、前を見ると、一気に、活気に満ちた街の光景が広がった。


「うわぁ……」

「すごい街だな」

「皆さん、楽しそうですね」


 街の人々は、井戸端会議をしたり、家の外に出て火を焚いていたり、子供たちは走り回っていたり、地面に絵を描いていたり、皆が笑顔の街だった。


「さて、どうやって聞き込みするの?」

 私は聞く。


「……そうだね……」

「うーん、難しいな」


 決まってなかったんかい!


「とりあえず、大人とかに聞いたら、怪しまれると思うし、子供に聞いてみる!」

 私は少し走り気味に、近くで絵を描いている少女に声をかけた。


 とりあえず、この街の人に信頼されて、話を聞き出すのが先決!


「あの……ごめんね、今いいかな?」

「はい?」

 女の子は顔を上げる。

「えっとね、私はレイラって言うんだけど、最近あったお話とかを聞かせてくれる?」


「はい、いいですよ! ワタシはターシャです!」


「えっと……あ、じゃあ、 ワタシ、最近まで、学校に行っていたんです。ここから少し先のところの山奥にある、古びた小屋で、10人ぐらいの生徒と、先生と、ほぼ毎日、そこに行っていたんです」


「うん」


「そしたら、一番仲が良かった女の子が死んじゃって……」

「……え。それは悲しかったね……」


「はい。とても悲しくて、最近あったことは、それぐらいですかね」


「そうなんだ……」


「お姉ちゃんはどこから来たんですか?」

「ああ、ヴェルソビア村っていうところから来たんだよ」

「あ、知ってます! ヴェルソビア村!」

「へぇ、そうなんだね、」


「はい! ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「っ、」


「その、死んじゃったお友達は君と同じぐらいの年かな……?」


「はい。そうですよ?」


 それは……。それなら……。


「な、名前は……?」


「レベッカちゃんです!」

 少女は満面の笑みで答えた。





 ***




「いやぁ、あの後、ターシャちゃんの家にまで行かせてもらって、情報収集ができたんじゃないか?」

 アーノルドは街を歩きながら言う。


「うん、流石リーンだね」

 カムレアもニコニコしている。


「……」


「どうしたんだ、義姉様、浮かない顔だな」

「……いや、別に……」


「でも、こうして有力な情報が掴めたわけですし……」

 カムレアは言う。


「まあそうだよな。この街の一番西にある集落。辺境の土地という訳でもないのに、他の地域との交流が完全に途絶えている集落とか、怪しすぎるっつーの」


「はい……あ、着きました。ここが西の集落です」

 カムレアは前を見る。


 棘がついている囲いの中は、荒れていて、整備されていない土地。その中に藁でできた様な、簡素な作りの家がたくさんある。


「うわ、カラスが鳴いてそうだな……」

「はい、不穏ですね……」

 二人は息を呑む。


「よし、じゃあ、俺が1人で行ってくる!」

 アーノルドは言った。


「え、アーノルド様!? それは危険です!」

 カムレアは驚く。


「いや、俺、戦闘では役に立たないし、なんか役に立つことっつったら、これぐらいしかねぇだろ」


「で、ですが……」

「いいってことよ! そんな気にすんなって! な、リーンもいいと思うよな?」


「……え、あ、はい。そうですね、いいと思います」

 私はニコリとする。


「だろ! じゃあ、行ってくるぜ!」

 アーノルドは手をひらひらさせながら集落の囲いの中に入っていった。


「……大丈夫でしょうか……」

 カムレアはため息をつくと、こちらを見た。


「リーン」

「……? なに、」


「なにか、あったでしょ」

 カムレアは真っ直ぐ前を見る。


「え……、あ、いや、なんでも……ないよ?」

 私は笑う。


「……そう。それならいいけど、もう少しシャキッとしなね」


「う、うん……」




 ***




 すると、アーノルドが帰ってきた。


「どうでしたか?」

 カムレアは不安そうにしている。たしかに、全貌が明らかになっていない集落に、戦闘力皆無を一人で行かせるのは不安だ。


「大丈夫?」

 私も聞く。


「あーいや、すっげーフレンドリーだったぞ」

 そう言うアーノルドの後ろには、少年が隠れていた。隠れていた少年は、恥ずかしそうにこちらを見ている。


『……え?』


「ちょっと待って、え、そんな感じなの?」

 思ってたのと違う……。

 なんか、『集落に一歩でも踏み入れば槍で襲撃される』みたいな感じだと思ってたんだけど……。


「え、ああ、なんか、入ったらすぐに女の人たちに囲まれて、『イケメン! イケメン!』って言われ続けて、そのままその人たちに押されて、村長みたいな人の家の中に入らされて……」


「……え? 何そのギャグ漫画みたいなの……」

 つーか、完全に忘れてたけれど、アーノルドって、イケメンだったな……。


「うん、で、村長に、祈祷? みたいなのしてもらって、その後、入れ墨を入れられそうになったから、『大丈夫です』って言って帰ろうとしたら、この少年についてこられた感じ?」


「な……なんですかそれ……」

「やっぱり怪しい宗教みたいなのやってたのね……」


「でも、みんな優しそうだったぞ」

「それは優し()()に見えただけでしょ!? 分からないじゃない!」


「まあそうだが……」


「では、アーノルド様に引き続き、集落に行ってもらいます。よろしいですか?」

 カムレアは言う。

「ああ、いいぜ! ほら、行くぞ坊主」


 アーノルドは少年と手を繋いで、集落に戻った。


「アーノルドって、コミュ力鬼だね……」

「コミュ力?」


 あ、やべ、コミュ力とか知らなかったか……。


「えっと、私のいた、もとの国の言葉で、コミュニケーショんと能力が高い人のことを『コミュ力おばけ』とか、『コミュ力が鬼』っていうんだよ」


「ああ、その、オレたちがその、ゲームの住人だって言う話だよね?」


 そんなことを話していると、もう、辺りは夕暮れ色に染まり、アーノルドが帰ってきた。


 と言っても、何故か、とても走っている。


「……え?」


 よく見ると、後ろからさっき私がイメージしたまんまの、槍を持って入れ墨を入れている男たちがアーノルドを追いかけてきている。


「な、に、あれ……?」

 カムレアは驚いている。

「……はは、あいつ、なにしたんだ……」

 私は呟く。


「おい、そこ! 見てるだけじゃなくて、助けろ!!」

 アーノルドはこちらに向かって大声で言う。


「あー、呼ばれちゃったわ。助けに行きますか」

 私は立ち上がり、静かに剣を抜いた。


「……峰打ちだよ、リーン」

「はいはい」

今日から夏休みなので、部活の都合上、もしかしたら昼に投稿したり、色々時間がずれるかもしれません。すみません!


あと、10万文字達成です! ありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ