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詩 雑文 読者 イメージ

作者:

さんは、きっと、頭が良くて器用な方で、だから、とても上手にバランスを取られるのですけれど、、きっと、何か迷ってらっしゃるのですね。今回の御作品は、良い意味でさんのバランスの良さが崩れかけてる。何か大きな影響を受けられたのですか……?素敵です。きっと、創作の経験も私よりも積んでらっしゃる方で多くの確信をお持ちの方だと思うのに、それでも尚、ご自身を変えようとなさって新しい開き方を探っていかれる方なのだって感じ取って、何度も御作品を読み返しました。読み取れない部分がいくつかあり、それは、文脈が、とか、文章に違和が、とかではなくて、微妙な空気感の話です。多分、さんが創られた空気感のぎこちない場所こそ、さんが挑もうとされた視点や方向性、今回から先の先だと感じ取った為、失礼致します、


先ず、音のゆったりした部分ですが、敢えて溜まりをつくられるのは良いと思うのですけれど

、読者側からしてみれば、溜まりがあるなら、そこに何か溜まる理みたいなものが欲しいと思ってしまいます、例えば、、私が好きな松尾芭蕉の俳句で、

『山中や菊はたおらぬ湯の匂』というのがあるのですけれど(自分は、全くの素人ですが、感じたままに書いています、)言葉は、どんなに短くとも発する意を持っているものだと思います。

言葉そのものは、概念を形に置いて説明したものに過ぎなくとも、言葉を発するということに既に意味が生じる。コミュニケーションツールとしての言葉の本来に目を向ければ、言葉を発するのは何かを伝えようとしている筈だという前提が横たわるように思います。


つまり、私は、溜まりがある文章は、空気感に意味深な匂いを含むのです。そういった匂わせるという手法は、あらゆる書き物で行われるのでしょうけれど、自分が感じとるに松尾芭蕉は、その匂わせるという手法に長けた方だったように思います。いちいち意味深で、その効果が素晴らしいので。


今回、さんは、御作品中でいくつかのテクニックを駆使されて、溜まりや、匂わせようと、意識的か無意識的か解りませんがなさっているように見えるのですけれど、そのいくつかで、その微妙な空気感が消失したり、効果を消してしまったりしています。


自分は、その理由のひとつに思い切りの消失と、イメージの消失を挙げます。


先にも申した通り、言葉を発するという行為は、そこに何かを伝えようとしているという前提をちらつかせます。意識的か無意識的かに関わらず受け取った側の人間は、取り敢えずはそういった目で無意識的か意識的かに関わらず読み下そうとします。そこで、イメージを結ばないと感じ取られた読み物は、言葉としての意を失い読者は、そのイメージの共有を諦めます。


イメージの共有をしたいと思う文章は、イメージがそこに描かれている文章だと言えます。解りやすければ尚、読者の思考の手助けを文章側が補助するという形で行います。


先にも申した通り、文章の溜まりを作ればそれは意味深な空気感を生み、読者は、無意識的に何かを身構えます。そこて読者の知や好奇心が刺激されたとして、それが溜まったままで終われば、読者は、刺激されたもののおさまりがつかないまま不満を溜めてしまいます。イメージの共有がかなわなかった状態を指すと思います。


 逆に、思い切りの消失は、作者側が掴んでいない場合に起こります。つまりは、イメージの像を創りきらないまま創作をしてしまい作者側がイメージを固められていない状態な為、そもそも文章側に伝えようとしているものそのものが消失している状態です。当然、そういった場合、イメージの共有は、難しくなります。


そういった二つの状態を(イメージは出来上がっているのに)作為的に形だけ真似をしようとすると意味の逆転化が起こります。


読者側と作品側がつながらなくなります。さんの今までの御作品は、このような傾向がありませんでした。自分は、そう認識しています。器用な頭のよい方だからテクニックで文体を弄ったり表出を弄ったり可能なのだろうと想像するのですけれど、もう一つ踏み込んだ先の表出がこの御作品には不足していると感じます。

生意気に申し訳御座いません。

失礼致します。


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