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第1章-8
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再び画面が暗くなる。バーチャルの世界ではない、現実で何かが起こっているのは間違いなかった。私はヘッドセットを頭から取り、放り投げる。私に視界が戻ってきたが、設備内の照明は落ちていて、暗闇の中にいる事は変わりなかった。
立ち上がろうとした。足が震えて力が入らない。異常な事態に私の身体は確実に恐怖を覚えていた。
右手で右膝を何度も叩く。それでやっと震えは収まってきた。深呼吸をして異変に気付いた。あまりにも静かすぎる。大地震でも起こったのかと思ったが、そうでもないのかもしれない。幕張メッセが何人収容かは分からないが1000や2000の単位じゃないだろう。大騒ぎどころか外の音は変わりない雑音程度。機械の不具合なのだろうか。
ブース内に明かりが戻った。視界が急に明るくなり、私の目は変化についていけず反射的に瞼を閉じる。鼻の奥にツンとする感覚が生まれ、私は気を失った。