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初版あとがき

 初版あとがき


 こんにちは、私が黄色い金糸雀です……といきたいのだがどうもそうはいかなくなってしまいました。私は彼の友人です。そうですね彼のペンネームになぞらえて、黒いカラス、とでも名乗りましょうか。

 なぜ作者ではなく私があとがきを書いているのか、と疑問に思われておられる方も多いと思います。これにはれっきとした事情があります。じつはこの本の作者――黄色い金糸雀は現在行方不明になってしまっています。生死はわかりません、彼は機械が使えないので電話で連絡を取る、といったこともできません。彼は私にこの物語を託すと、そのままどこかに行ってしまいました。それは一目で彼が非凡だとわかるものでした。しかし彼に託されたこの物語、それをまるではじめから存在しないかの如く瓦礫の山に埋めるのはもったいない。そこで私は彼の最後に残したものを、より多くの人に見てもらおうとしました。これが私が友人にしてやれる最大限のことだと思ったのです。

 今となっては彼がどのような気持ちや意図を持ってこの物語を書いたのかはわかりません。しかし彼は最後に私にこう告げました。「物語を作って楽しかった」、と。これは彼の究極にして最も言いたいことだと思います。

 ……さてそろそろ作者を語る偽者は退場することにします。今回の出版に当たって尽力してくださって編集のY氏、このように突然の原稿をお持ち込みして申し訳ござません。そして出版まで取り付けてくださりありがとうございます。カバー装飾のN様、その他出版に関わってくださった皆様に感謝を述べておきたいと思います。

 そして最後にこの本を手に取ってくださった読者の皆様、どうか私の友人の物語を楽しんでください。そして図々しい様ですが、どこにいるとも知れない私の友人の無事をお祈りしていただければ幸いです。


黒いカラス


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