ハロウィン小話(森の中/死にたがり/ハッピーエンド)
森の中の魔女のはなし→カティヤとタウ
・行き倒れてた狼獣人タウは元気になってカティヤになついています
「カティヤ!あの、と、トリックオアトリート!」
「あらまあ。そんなのどこで覚えてきたの、タウ?」
「本棚に、ハロウィンの本が」
「あらら。残念だけど、ここにハロウィンなんて文化はないのよぉ」
「えっ」
「別の世界のお話ねえ。町に出てもカボチャは飾っていないし、魔のものに成りすます子供はいないわ」
「そ、そうなんですか……?」
「でも望むのならお菓子はあげるわ。うふ、折角だから耳でも出してご覧なさい?」
「はい!」
「ティードリヒにもあげましょうか?うふふん、そのためには仮装が必要ね。……あら、ドアを閉めちゃって。いらないなら構わないのよ」
*
死にたがりヒーロー→本条と芽依子
・繰り返しますが怪獣とか怪人とか出てくる世界観です
「…………何を、やって、るんだ」
「ひえっ!ほほほ、本条さん!」
「聞こえなかったか?」
「あっ、えっ?何をって、ハロウィンですけど、っわああ子供を投げるなんて!何てことを!」
「……子供?」
「子供じゃないですかどう見ても!お菓子くらい持ってるのに!」
「あれは子供じゃねえ、それでその手のクッキーはその子供から貰ったな?」
「?はい。お姉さんが先に言って、と言われたので、って何で食べちゃうんですかー!」
「あの世のものを食うと戻ってこれないとか聞いたことあんだろ」
「あの世の?」
「あの世の。」
「あの世の……?」
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死にたがりヒーロー→成宮と幸乃
・幸乃は本編未登場の成宮の従姉妹です
「どうせ仮装ねだられたんでしょ?」
「まあ」
「そんでウェグワートやったりしたんでしょ?」
「いや、去年で懲りて、ハロウィン近い10月は話題に登らないように活動を控えたら今年は吸血鬼に」
「吸血鬼って」
「うん」
「ウェグワートとあんまりパーツ変わらなくない?」
*
ハッピーエンドを迎えるために→鷹司と小鳥遊
「おい仮装は」
「しないけど?」
「しないけど?じゃねーよ、乙女ゲームなんだろうが。イベントだろうが。ハロウィンパーティーとか、やるもんじゃ、ねえのか」
「なんでそんなに力入れて言うのかわかんないけど……学校で仮装して授業うけるわけにいかないでしょ?ラブ鳥出た頃ってあんまりハロウィンやってなかったし」
「ゲーム世界ならそのへんご都合主義しとけよ……!」
「ええー?あっ、お菓子ならあるよ?食べる?」
「甘いもん好きじゃねえっつの……」
「ちょっと翼意味わかんないわ……。そんなにハロウィンやりたいならうちでやる?」
「仮装するか?」
「ええ?うーん……」
「猫耳くらいでいいから」
「ネズミ耳ならあるけど」
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