あの頃の記憶は胸の奥に…
「はぁぁ…」
一体…どれだけの時間が過ぎたのだろうか…。
一体…どれだけの溜め息を吐いただろうか…。
「はぁ……。」
また、溜め息。…これで何度目だろう…マジで…。今日は入学式だったのに、気分は晴れない。こんなんだから俺の幸せは逃げてゆくばかりで。まぁ一番の幸せは、今、生きているということなのだけど。
「はあぁぁぁ…」
あ、また…。家に帰ってくるなりベッドに転がり込み、片手を上に上げる。その手の中には、長年付き添ってきた相棒・汚れたボールが握られていた。
「はぁぁぁぁ…って、あれ?何時の間に握ったんだか…。確か段ボールに封印してたはずなのに…。」
そう思って無意識に顔を横に向けた。
俺の目に入ったのは、ガムテープを無残に破られ、明らかに漁られた形跡のある段ボール箱。そして、その脇には使い古したバットとグローブにボール達。いずれも、半年前の引退の日に供養の意味も込め封印した、小、中学時代の俺の相棒達。ふと、俺の思い出の宝箱が…二度と開くことのないよう、重い南京錠とかたい鎖で鍵を掛けた記憶の宝箱が、
――カチャリッ
と、気持ちの良い音をたてて開いた。その箱を触るにはためらいがあった。でも、心の隅に追いやった野球に対する気持ちが、野球をやりたいという気持ちが疼きだした。俺の手が、指が、自然とボールを跳ねあげ、引力によって落下してくるその白い塊をやわらかく包む。手は、その懐かしい感触を愛しく思っているようで。
―――思い出の箱に触れようと決心した瞬間だった。そして、その瞬間は、俺の未来を大きく変えた。
あー、なんか更新遅れてスイマセン…。なんせアイデアが浮かばず…いや、嘘です。サボりましたスイマセン。