プロローグ
――私は5歳という幼さでフェンリル王国兵士隊に志願し、王宮に出向いた。当時のことはよく覚えていない。これはただの子供の遊びだったのかも知れない・・・国を思う気持ちが強かったとでも言っておこうか。・・・いや、愛国心など強要や教育されずに自然と身についたもの。それは国が豊かであり、平和であり、好きになれる国家だったからではないだろうか?
5歳・・・それはまだ遊び盛りのころ、何故か私は父や母に「私はお城で働きたいです」と言った。若いころは誰しもが王宮仕えが憧れの的だった。私も例外ではなかった。国を護っている人達の下で働き、自分も国を護るお手伝いをしたいという無駄な意地を持っていたからだ。
父と母は特に反対するわけでもなく、むしろ賛成だったようで志願書を快く書いてくれた。
のちに考えてみれば5歳なんて子供は目障りなだけで足手まといになるだけなので兵士隊に入れるはずもなく、馬鹿なことをしただけだと思う。結果としてよかったわけだが・・・
そんなこんなで私は5歳という幼いなか、兵士隊に入隊した。当然戦力外通告を受けて。戦力にならないのならなんのために存在するのか?通達書には「あなたの我がフェンリル王国兵士隊の入隊許可がでました。しかし、若年のため戦力外通告をさせていただきます。竜神月十日、フェンリル城までご足労お願いします」と書かれていた。
通達書通り私はフェンリル城に向かい、国王に謁見した。
国王は大変優しい人で、顔も温和な雰囲気を漂わせていた。彼の口から出された私の使命は・・・「愛娘、ナロミーネの相手になって欲しい」という。そこから任命されたのは姫の友人・護衛。そして側近として「守護兵」と命名された。
「あなたがロリスね」
「はい!シャロレイド・ロリスと言います」
ロリスは姿勢を正し、大きな声で返事をした。栗毛色の美しい髪の上に銀のティアラをのせ、白いドレスに身を包んだ幼女がナロミーネ姫であった。
「あなたがこれから私の相手をしてくれるのね」
「はい、姫殿」
「よろしくね」
「はい!」
姫殿の笑顔は眩しく、穢れていない私でも目を細めるほどだった。
こうして毎日私は姫殿の相手をし、よき友、よき相談役となった。その関係はずっと続いていった。私は姫殿に気に入られ、常に行動を共にした。就寝時は隣室だったが、入浴や食事などは一緒だった。姫殿が勉強の時は私は兵士長から武術や剣術を習い、守護兵の役割を果たしていった。
こんな生活がいつまでも続くと思っていた-…




