表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

なろうラジオ大賞4

婚約破棄された公爵令嬢エミリア・シルフィードは持ち前のポーカーフェイスでこの難局を乗り切ります

掲載日:2022/12/18

「エミリア・シルフィード!

 お前との婚約を破棄する!」


 そう声高らかに宣言したのは、愛すべき推しであり私の婚約者であるウェルバード王太子。

 傍らには憎き恋敵であるサーシャ・リビル。


 どうしてですか、殿下。

 私のなにがお気に召さなかったのですか?


「それで……何故でしょうか?

 理由をお聞かせ願いますか?」


 混沌とした心の内を明かすまいと、ポーカーフェイスで答える。

 無様にわめき散らしたりしてはいけない。


 私は動揺した素振りを見せず、つかつかとウェルバードに歩み寄る。


「え? ちょ、まって?

 なんでそんなあっさりなの?」


 なぜか動揺するサーシャ。


「なにか?」

「いや……だってさ!

 婚約破棄だよ?! 婚約破棄!

 ふつう取り乱したりするでしょ⁉」

「はて、一体どうしたのですか?」


 あまりにおかしい彼女の態度に違和感を覚える。


「もっ……もしかしてだけど!

 あんたってヤバいヤツ⁉」

「失礼な、何をおっしゃいますか?

 わたくしには何一つおかしなことなどありません。

 ええ、何一つ」

「嘘……絶対うそよ!

 じゃぁ、なんで平然としてるのよ!」


 サーシャは発狂しだした。


 彼女の隣でほうけた顔をするウェルバード。

 表情に力がない。

 魂が抜けたかのよう。


 まさか――


「いやぁ! こっちに来ないで」


 サーシャは悲鳴を上げて後ずさり、スカートの裾を踏んで無様に転倒。

 彼女のことなどお構いなしに、私はウェルバードの顔面に拳を叩きこんだ。


「がはっ……はっ⁉ 俺はいったい……」


 どうやら怪しい術をかけられていたようだ。

 ふぅと肩から力が抜ける。


「ウェル、アナタは今しがた私に婚約破棄を宣言したのです」

「なっ……なんだと⁉」

「一応、お尋ねしますが、宣言を撤回しますか?」

「無論だとも!」


 サーシャの術によって操られたウェルバードは正気を取り戻し、宣言を撤回。

 こうして茶番にも思える婚約破棄騒動は幕を閉じたのでした。





















「ばっ……ばかああああああああ!」

「すまん! すまなかった!」


 二人っきりになった私は、ウェルの胸をぽかぽかと殴る。


「油断して! 操られて!

 私がどんな思いをしたかぁ!」

「悪かった! 許してくれ! この通りだ!」


 へこへこと頭を下げるウェルだが、簡単に許しはしない。

 私がどれだけ不安で心細かったか……!


「もう君を悲しませないと誓うよ、エミリア」

「お願いしますね、ぐすん」


 遮二無二抱き着く私をウェルは優しく包み込む。


 私を不安にさせるのは、これっきりにして欲しい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ギャップ萌えですね。面白かったです。 [一言] 読ませて頂きありがとうございました
[良い点] 落差萌え。 [一言] 1000字できっちり婚約破棄だぁ〜。 面白かったです!
[良い点] 面白かったです。 エミリアさんの豹変ぶり(爆笑)とっても良かったです。 読ませていただきありがとうございました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ