光の属性の魔法
「またですか…。」
そっとため息をつく私。
王太子殿下から毎日プレゼントが届く。
花からはじまり、アクセサリーやお菓子など毎日毎日届いていたのでお手紙を書いた。
お礼とこんなに毎日いただけませんと。
「リシェルはこういうものより本のほうが嬉しいもんな。リシェルが読みたがってた本だよ。」
「わぁ。お兄様ありがとう。お父様、殿下にちゃんとお渡ししてくださいね。物が溢れてしまいます。」
「わかってる。やる事が極端なんだよ。あの王太子は。ところでそれは聖魔法書か。我ら一族も昔は使えたようだ。」
「先日、王宮でのお茶会のとき聞きました。」
「その前からリシェルは興味あったようですよ。やはり血筋なんですかね?」
「うーん。」
お父様は困ったように唸っている。
「お父様?」
「リシェル、審査を受けてみるか?魔法属性の。誰でも受けられるものではないが。魔法騎士隊がいるのも知っているだろう?その希望する候補生達がうけるものなのだがな。そろそろ現聖女も80近い。他に出てきても良い頃なのではとの話で。もしやとも思っていたが…。」
もしや?
「箝口令をしいていたので私達と医師しか知らない話だ。リシェルが生まれたとき、そしてマリアが生まれたとき淡い光に包まれていた。二人は聖女なのではと…違ってほしいと思っていた。」
「私とマリアがですか?」
「そうだ。マリアもマルチネス家の血を引くものだ。そうであってもおかしくはないだろう。」
「マリアは…。もぅ着いた頃でしょうか?」
ふとそんな事を口にしていた。
「あと数日で着くだろう。」
「そうですか。長旅ですね。そんなに遠くに二人とも行ってしまったんですね。」
「リシェル…。」
「2人に幸多からんことを。」
私はふと口にした瞬間にふわっと何か光った気がした。
何が起こったの?
お父様もお兄様もびっくりしている。
そしてびっくりした事に数秒後また同じように光ったかと思うとピンク色の花が私の手にのった。
え?
これって?
マリア…?
確認することなんてできないけどマリアと通じ合ってる気がする。
マリアもマリアで私の事を気にかけてくれてるのかもしれないと思った。
そう思いたいというのが強かった。
「お父様。私、もし光の聖属性の魔法が備わっているのであればお役に立てることはしたいと思います。」
「私は反対です。リシェルは無茶をしすぎます。」
「お兄様。」
「だが、どんな能力が備わっているのか判断するくらいならいいだろう。」
お父様はこの言葉を後々ひどく後悔する事になる。
お兄様は苦虫を噛み潰したような顔をして、納得してなさそうにしていた。
私はというとドキドキワクワクしていた。
聖属性の魔法が使えたら、鍛錬して色んな事に応用できればこの国の人達が災害とかあったときに手助けできることができるんじゃないかと色んな事が頭を駆けめぐっていた。