女神エリシオン
王城にある大神殿。
その奥深くにに一部の人間しか入れない場所がある。
今は聖女様それに陛下と皇后様。
大神殿の神官長ですら入れない場所である。
入ろうとしても大神官長は入れない。
そんなところにいとも簡単に入ったのが王太子であるアレク殿下だ。
そしてもう一人…。
女神に認められたもの。
虹色に輝く宝玉。
虹色などどこの文献にものっていない。
ただ、奇跡としか言えなかった。
陛下も皇后陛下、宰相閣下、王太子殿下もその輝きにびっくりしていた。
そしてその輝きを起こしたのがリシェル・マルチネス公爵令嬢であった。
「お父様?」
何が起こってるかわからずキョトンとした顔で宰相閣下の顔を見るリシェル嬢。
【虹色に光る宝玉など500年ぶりくらいか…】
そこに現れたのは古い文献で見たことのある女神エリシオンだった。
大神官長として長年勤めたがこんな事ははじめてでぼんやりとその光景を眺めていた。
~〜~~~~~~~
なぜこんなことになってるかというと…
お父様に連れられて王城に来たのだけれど、王族の方々の意向で大神殿の宝玉の間に連れて行かれた。
国王陛下、皇后陛下、王太子殿下、お父様、そして見届け人として大神官長様であるバーンズ様。
バーンズ様は幼少の頃より魔力が高く王城の大神殿の仕事をしていた方だと聞いた。
大神官長様に促されて宝玉の台座の前まできた。
「こちらに手をかざし魔力を宝玉に捧げるように祈ってください。」
「はい。」
大神官長様からそう言われ、緊張して震えてる手を宝玉にかざした。
宝玉に魔力を捧げるってよくわからないけど…
ただそう祈っていた。
そうすると暖かな気が立ち込めたと思うと宝玉がパーッと光った。
それも虹色に。
びっくりしてお父様のほうを向く。
「お父様?」
お父様も他の王族の方々もそして大神官長様もびっくりしていた。
そして虹色の光の中に綺麗な男の人?が…?
見たことのある気がする。
【虹色に光る宝玉など500年ぶりくらいか…】
その人がそう言うと
「まさか…女神エリシオン…」
アレク様がそう言う。
びっくりしてるというよりはキラキラした顔で。
【いかにも。エリシオンだ。アレク、そしてリシェル。】
王太子殿下であるアレク様だけでなく私の名前も知ってるなんて…。
「お会い出来て光栄です。女神エリシオン様。リシェル・マルチネスでございます。」
ドキドキする胸を抑えながら、カテーシーをする。
【堅苦しい挨拶はよい。リシェルよ。宝玉を虹色に輝かせるということはこの国の未来にも関わることだ。それだけの魔力が其方には備わっている。そしてそれは悪をも惹きつけるものだ。アレク、其方にリシェルを守れる器が果たしてあるのか?】
いつの間にか隣にアレク様がきていた。
真っ直ぐにエリシオン様を見つめて
「この命に変えてもリシェルは守り抜きます。」
そう言うアレク様。
ドキドキとする胸がうるさい。
アレク様の真剣で真っ直ぐな瞳が私の方へと向けられた。
「リシェル、君を守る栄誉を私にくれないか?」
ドキドキしている事を悟られないように
「私にもアレク様や皆様を守らせてください。」
私の言葉に微笑んで
「参ったなぁ。リシェルにはかなわないよ。」
そう言うと私の手をとり、エリシオン様に
「私とリシェルは共にこの国の為、そしてお互いを守り抜きます。どうぞこれからも我が国をお守りください。」
「エリシオン様。私をこれからもお導きください。よろしくお願いします。」
アレク様に続いて私もそう言うと
【よかろう。アレクそしてリシェルの覚悟確かに受け取った。また会おう。】
そう言って消えたエリシオン様。
ただ、宝玉は透明だったはずなのに虹色に輝いている。
「リシェル。君を王城に迎えたい。」
真剣な顔のアレク様。
「そうじゃの。こうなってはリシェルを公爵家にいさせるわけにもいけないだろう。」
陛下がお父様の顔を見るとお父様はムスッとした顔をしている。
「宰相閣下がリシェル様を溺愛されているのもわかっておりますが王城内のほうが安全です。結界もですが安全面でもです。それにリシェル様はまだ魔力をコントロールすることすらできてないと思われます。王城内の神殿でそちらの訓練もできます。」
大神官長様がそう言うとお父様は諦めたように息を吐き
「リシェルの命が一番です。こうなっては仕方ありません。娘をよろしくお願いします。」
そう言って頭を下げるお父様。
「お父様のご命令とあればそのように致します。陛下、皇后陛下、王太子殿下、大神官長様。何卒よろしくお願いします。」
私の言葉に頷くと陛下はみんなに王としての勅命をだし、私が住む場所の確保と人員確保などありとあらゆる支持をしだした。
「リシェル。何かあれば必ず私に言うんだよ。飛んでくるからな。」
そう言うお父様に
「少しは子供離れしてもらわないとですから良い機会です。」
笑ってそう言う私に寂しげに微笑むお父様。
「アレク殿下。よろしくお願いします。・・・。」
お父様がアレク殿下に声をかけてたけど最後の方が聞き取れなかった。
ただ、アレク様はお父様に
「わかってます。」
真剣な眼差しでそうお父様に言っていた。
その事をお父様に聞いても、アレク様に聞いても誤魔化されるばかりだった。




