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なろうラジオ大賞3

七人の助手~魔法研究、探索、騎士団訓練、医療、商人、漫画、ギルド事務、日替わり重労働のブラック助手なのでアシ辞めます~

作者: だぶんぐる

リハビリ作品十二作目。


「第3回下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ大賞」参加作品の為、1000文字以内の超短編です。

「人の役に立つことをしなさい」


母親にそう言われ才能のないオレは人を手助けする道を選んだ。


「アンタ、魔法の威力効果範囲のデータ採集しておきなさいって言ったでしょ!」

「なんでもっと安く買えないの!? 冒険は金がかかるのよ!?」

「貴様は週に一度しか参加出来ないのだから、七倍騎士団員の相手をするのだ!」

「他の者に貸し出す許可を出したのは、お前が週一でもちゃんと患者の対応をしてくれると信じていたからなのだが、実に残念だ」

「早くキリキリ働きな! お前が売って売って売りまくるんだよ!」

「休みたい~? だめだめ~、他では休まず働いているんでしょ~? ここだけ休みたいってギルドの事務舐めてるの~?」

「異世界生まれのエンタメ、漫画こそ至高! ベタ塗るっす! トーン貼れっす! 命を燃やすっす!」


「「「「「「「アシ!!!!!!!」」」」」」」


そして、オレはぶっ倒れ、六日間起きることがなかった。

夢を見ていた。

夢の中でもオレは天才達の助手をさせられていた。

魔法研究者、探索者、騎士団長、医者、商人、ギルド事務員、漫画家。

一週間日替わりで、しかも、一日で七日分働かさせられる。

睡眠食事もままならない。まあ、恋やら性欲だのはもってのほかだ。

なんで、現実の悪夢を悪夢で見なければならないんだ。


そして、七日目。漸く身を起こしたオレは


「……うん、辞めよう」


オレは逃げ出すことにした。

オレは彼女達のような天才ではない。

けれど、まあ、今まで培ったものでなんとかなるんじゃなかろうか。

そう考えたオレは、金を工面し、道具を激安で買い集め、古の言葉で書かれた古代人の隠れ里に行くため、魔法と剣を駆使し、不眠不休で旅をし、ドラゴン倒し、その戦いを四コマ漫画化し、隠れ里到着。

ここまでで一日。


うん、これならなんとかなるんじゃね。


一方。

「魔法実践は助手任せだったので……」

「なんでこんなに金がかかるの!? あの助手は半分以下で……」

「アイツの剣技の方が美しかった!? 私では不満か!?」

「今回のミスは助手の不在が原因で……はい、私が医者です。助手は助手です」

「売り上げ激減の理由は!? アレのいた曜日がガタ落ち?」

「こんな書類の山さばけません~! あの子がいないだけで華金が~!」

「原稿オトしたー!!!!」


そして、都ではこんな張り紙で溢れた。

一日で七日分の仕事を一週間、一週間で約五十日分の仕事をこなす男、最強の助手、アシ、探してます。


最後までお読み下さりありがとうございました。


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