五十五日目 八流の戦い4
どれくらい時間が経っただろうか。俺たち長宗我部軍はじわじわと前線を上げてゆき、更には敵兵を減らしていった。
「ひけっ!ひけぇーーっ!!」
敵の先鋒部隊が引いて行く。完勝とまでは行かないがそれ程、死者の数に差がある戦いだった。
「「おおおっっ!!」」
と、いきなり左手から声が上がった。あれは....中堅部隊か。
「菊之助殿ーー!!」
「出雲!」
「あとは某にお任せ下さい!!」
「出雲殿、いい所取りは許さぬぞ!先鋒部隊も続けぇっ!!」
「「おおっっ!!」」
流石は出雲、ナイスタイミングの追い討ち。それに続いて、差程兵を失っていない重俊達が追いかける。
「遊撃隊!」
「「はっ!」」
「どれくらい減った?」
「20人程度かと」
ってことは480人程度か。うん、問題ない!
「よし、俺たちも続くぞ!」
「「おおっ!!」」
八流での戦いは長宗我部の勝利となり、そのまま城近くまで追い詰めていた。
「殿、親政殿たちが野戦に勝ったとの報せが。」
「おお!もう追い返したか!ならば我らも遅れをとるわけにはいかん!孝頼、直ぐに動かすぞ!」
「ははっ!」
国親の予想では戦は長引き、こちらが挟み撃ちにする手筈となっていたが、予想より遥かに早く親政の方が片付いたため、内心驚いていた。
全く、流石と言うべきかーー。
しかし、そんな国親に火急の報せが入った。この一人の足軽の言葉で、本当の戦いが始まる。
「と、殿っっ!!一大事にございますっ!!」
「なんじゃ、騒がしいの。」
「本来ならば孝頼様に一度お伝えするところ...。」
「よい、申せ。」
「ははっ!たった今、城から報せが参り、本山城にて秦泉寺 泰惟が謀反との事っ!!」
国親の思考が停止した。




