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(旧)天下一の向日葵  作者: 茶眼の竜
第二章 成り上がる向日葵
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四十五日目 弥三郎 vs 出雲

ご感想、誤字報告ありがとうございます!

この場をお借りして、御礼申し上げます。


菊之助(きくのすけ)()の策は、それはもう素晴らしいもので!...」

「「は、はぁ。」」


何故か急に俺の自慢をし出した出雲(いずも)

まだ出会って半刻も経っていないのだが、よくもまぁそんなに喋れるわ、と見守っていた。

しかし、出雲の話に着いていけていない町人の子の3人。吉丸(きちまる)が痺れを切らし、俺に問いかけてくる。


「菊之助、このお方がさっき言ってた、一の家来ってのはどういう意味だ?」

「ああ、実はこの人、国親(くにちか)様ではなくて、俺に仕官して来たんだよ。」

「ま、まさか...金を...?!」

「いや、"おいどん"とか言わないからね。」


と、俺の冗談に爆笑する吉丸。お腹を抱えて、それはもう大爆笑。


「に、に、似あわないよ!」

「分かってるよ!」


こんなに笑われるとこっちが小恥ずかしくなってくる。少し頬に熱が籠るのを感じながら、気がつけば弥三郎(やさぶろう)の館へと辿り着いていた。


「遅いでは無いか!」

「すまんな、弥三郎!置いてきぼりにしてちゃって。」

「そう思おておるのならさっさと稽古を再開するぞ!」

「「はーい。」」

「や、弥三郎...様?!」

「ん?そやつは誰じゃ?」

「出雲だよ。」


説明が足りぬ、と弥三郎。


「まさか、このような所で国親様のご子息の方をお目にかかれるとは!某は元本山家家臣の神森(こうのもり) 出雲と申します!先程、菊之助殿のけ...」

「仲良くなった者だよ!」

「おい、菊之助。この者の話が聞こえなかったでは無いか。」

「まぁまぁ、名前だけ知れれば十分でしょ。後は刀で語れってね!」


と、俺は2人に木刀を渡した。


「稽古を早く始めたい弥三郎の為に、手合わせして上げて欲しいのだが、お願い出来るか出雲?」

「某で宜しいのですか?」

「まぁたまには知らない人とするのもいいんじゃね?」

「弥三郎様と手合わせ出来るなんて光栄でごさいます!」

「じゃ!そーゆー事で2人とも構えて!」

「はぁ、全くお主は急なやつよのう。」


2人が構えきったことを確認し、始め!と声をかけた。お互い、どこから攻めようか、と探り合うように(とど)まる2人の間を風が吹き抜ける。周りの木々がザワザワと揺れる音だけが聞こえる。

ジリジリと詰まる間合いに我慢できなくなった俺はーーー。


「もう始まってるよ?」

「分かっておる!出雲とやら、何処からでもかかってくるが良い!」

「では、参りまする!はっ!!」


カンッと甲高(かんだか)い音が鳴り響いた。出雲の力の強さに押される弥三郎だが、何とか足で踏ん張っていた。

流石、毎日走り込みしてるおかげで足だけは大人にも劣ってないな。

その後も、カンッ、カンッと、2人の木刀は交じりあった。


「流石、弥三郎様!某の攻撃を受け止めるとは!」

「僕とて毎日、意味無く稽古をしておる訳では無い故!菊岡流(きくおかりゅう)....」


その言葉に出雲の耳がピクリと反応した。


赤椿(あかつばき)っ!!」


弥三郎は木刀をパッと離し、蹴り上げ出雲に向かって一直線に飛ばした。木刀は反応の遅れた肩に突き刺さり、そこで試合終了。


「やめ!」

「で、できた!!」

「繰り出した本人が1番驚いてどうするのさ。」

「いやー実際に決まるのは気持ちのいいものだなぁ、えへへ。」


なんとも言えないニヤケ顔を俺は目を線にして見つめていた。


「さ、先程の菊岡流とはなんでございますか?!!」


と、いきなり出雲の髭が俺の頬に当たるのを感じた。


「ちょ、近い近い!」

「こ、これは失礼致しました!しかし、先程の剣術は如何に?!」

「俺が考えた菊岡流剣術だよ。」

「なんと...、なんと響きの良い剣術!!是非、某にもお教え下さいませ!」

「でも、既に型の出来上がっている人には難しいかもしれないよ?」

「伝授する為ならば、今の型など直ぐに忘れましょう!」

「いやいや、勿体ないな!今の出雲でも出来そうなやつだけ教えるよ。」

「いえ!全てで!!」


こうして俺たちは出雲を加えた6人で稽古をすることとなった。

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