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(旧)天下一の向日葵  作者: 茶眼の竜
第二章 成り上がる向日葵
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四十三日目 本山家家臣団

岡豊城(おこうじょう)(おとり)作戦の後、国親(くにちか)は捉えられた茂宗(しげむね)の下へ行った。


「国親!」

「久しいの茂宗。最後に会ったのは...(ひかる)の縁組の時かのう。」

「貴様の顔など見たくもない!」

「それは儂の言葉じゃ!よくも盟約を破ってくれたの!生きたお前に会うとは思わなかったわ!」


一行に終わる気配のない2人の言い争いを傍で見る重俊(しげとし)


「殿、そろそろ進めませんと...。」

「ふん!分かっておる!茂宗、最後に言いたいことはあるか!」

「言いたい事か...。どうかこの命タスケテクレヌカノー。」

「貴様、本当に助かりたい気はあるのか。」

「それは勿論。シニタクナイー。シニタクナイー。」

「き、貴様ぁあ!!」


刀を抜き去ろうとする国親を必死に重俊と足軽達は抑えた。


「重俊、邪魔するでない!どうせこやつは打首にするのじゃここで斬ったって問題なかろう!」

「そ、そうなのですが、こやつには色々と聞かないと...。」

「ふん!」


国親はこやつの顔など二度と見たくない、と言い去っていった。


「ふん!殺すならさっさと殺すがいい!」

「まぁそう焦りなさんな。貴殿には聞きたいことがあるのです。」

「儂は何も話さんぞ!」

「....。某が殿に頼み込めば命は助けて貰えるかもしれませんぞ。」

「ほ、本当か?!」

「え、ええ...。」

「よし、ならば話そうではないか!」


軽いなーこの人、と重俊は思った。いや、重俊だけじゃなく、その場にいる全員が思ったことだろう。


「では、此度の戦を考えたのは貴方ですか?」

「違うぞ。儂ではない。儂は届いた書状に従った迄だ。」

「書状とは、誰から?」

「それは言わぬ。」

「な、何故ですか?!先程何でもと...」

「面白く無いからじゃ。もし儂がそやつの名を言えばお主達はそいつの元へ出陣するだろう。」

「それは家中に裏切り者がおるということですか?」

「そうは言っておらぬがな。ま、1つ言えることは、本山の者ではないという事じゃ。」

「そうですか。」


その後は本山領の事を少々話し、茂宗は次の日、打首となった。旧本山(もとやま)領はそのまま長宗我部(ちょうそかべ)家のものとなり、本山城(もとやまじょう)朝倉城(あさくらじょう)を加え計4つの城を有する事となった。

他の本山家家臣はと言うと、吉松(よしまつ) 光久(みつひで)は長宗我部へは(くみ)せぬとの事なので、伊予国(いよのくに)へ追放。もう1人、神森(こうのもり) 出雲(いずも)はというとーーー。


「出雲殿は出来れば長宗我部家に迎え入れたい、と殿が仰っていた。お主が良ければそのまま調略されてくれぬかの。」

「某は...。」


出雲の顔は曇った。


「此度の策は国親様がお考えになられたのですか?」

「此度とはこの岡豊城囮作戦か?」

「策の名は知りませぬが、それです。」

「これを考えたのは菊之助(きくのすけ)じゃ。」

「き、菊之助....。聞いたことありませぬな。」

「先の戦で茂辰(しけとき)殿を討った奴じゃよ。」

「なんと?!」

「その功労の末、足軽大将へと昇進したのじゃ。」

「しかし、足軽大将如きが軍議に立ち会っていたと?」

「いや、なんとも外にいたら聞こえてきたとかで。まぁ皆策が無かった故、殿も大目に見てくたさったのであろう。して、出雲殿、お考えはいかに?」

「某は...。」


数日後、岡豊城にてーーー。

俺は昼過ぎに国親に呼ばれ、大広間へと向かっていた。


「菊之助でございます!」

「入って良いぞ。」


と、中から声がかかったので襖を開けるとそこには、国親を始め、孝頼(たかより)、重俊、親政(ちかまさ)の家老達が出揃っていた。


「お、遅れて申し訳ありませぬ!」

「よい、先に話し合う事があったのでな。もっと近う寄って良いぞ。」

「ははっ!」


国親の元に膝を着きながら近寄っていると、ふと視界に知らない茶筅髷(ちゃせんまげ)が似合う人が写った。


「して、此度の働き真に大儀であった。」


はっと俺は我に返り言葉を返す。


「あ、有り難きお言葉にございます。」

「ふむ、それでじゃが、実はお主を家臣に迎えようと思おたのじゃが....。」

「ま、真にですか?!」

「ま、まぁ聞け。」

「はっ、失礼しました。」

「やはり孝頼がまだ早いと申すのでなぁ。」


チラッと国親は孝頼の方を見た。


「まだ、農兵から上がって半年足らず。これではまだ周りから疎まれる存在となりまする。」

「と、という訳じゃ。す、すまぬのう。」

「い、いえ、大丈夫です。」

「こ、此度の事も儂への貸しとしておく為、気を落とすでないぞ!」

「有り難きにございます。」

「そ、それでだな。出雲から其方に話があるそうなのじゃが...。」


出雲?とはさっきから居ること知らない人のことかな?


「はっ。某は神森 出雲と申します。菊之助殿は此度の策をご提案した方だと伺っております。」

「此度とは、城でのことですか?」

「はい。それで、自分で言うのもおかしな事ですが。某は他のものより、主に対する忠誠心は強いと思おております。しかしながら、某は自分より能力の劣る者に仕えるのは些か不満があり...。あ!国親様が某より劣っていると言うことではなくですな!!!」


出雲は自分の口にした事が厚かましいことに気づき謝罪した。

まぁたしかにそう言っている様にしか聞こえなかった。


「はっはっは!良い、続けよ。」

「はっ!それでですね。此度の策...、真に感服致しました!某には到底あの様な素晴らしいことは思いつきもしませぬ!その上で申し上げたき義がございまして、某を貴方様の家臣にして頂けませんでしょうか?!」


ゴンッ!!


と、出雲は勢いよく土下座をして来たのだった。いや、痛くない?頭。


「あ、あの大丈夫ですか?」

「....。」

「お申し出は有難いのですが、先程、殿が仰っていた様に、私はまだ足軽大将の身です。そこに家臣を付けるなどと言うことは...。」

「良いのではないか?」

「へ?」

「のう、孝頼!それぐらいは許してやっても良いのではないか?」

「...家来という事ではなく、仲の良い者同士と言うことであれば共に居ても宜しいのでは無いでしょうか。」

「ふむふむ。孝頼が良いと申すのなら良いであろう!」


ん?どっちが主ですか?と思わせるような会話。まぁそれはさておきーーー。


「出雲殿はそれで良いのですか?」

「某は貴方様にお仕え出来るのであればどんな形でも構いませぬ。」

「よし、では出雲の事頼んだぞ。」

「ははっ!」


こうして俺に家臣が着くこととなった。

やった!

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