不思議な不思議なものだよ
漫画とは不思議なものである。細い細い一本の線は人間の手首運動によって、都会の空より綺麗な星となり、人の絵のとなりに大きなパイプのようなものがつけば、現実世界から逃げる若者より生き生きと口を動かしている。私達はそんな世界、人々に憧れを抱く。
みなさんは「少年ジャンプ」を知っているだろうか?友情、努力、勝利を揺るぎのない大木として数々の名作を輩出する最大手の漫画雑誌である。海を駆け回る海賊達や手から最強を目指すために日々修行に励む宇宙人を見ては未知なる冒険に心を踊らせ、僕らもまた修行を始めた。かくゆう高校生の私もその一人である。いや、その中でも最高ランクの愛読者といっても良いだろう。立ち読みで自分のお気に入りの漫画だけパラパラとめくるような輩とは違い、毎週近くの書店で購入したものを1ページ1ページ最初から最後まで、まるで濃厚なチョコレートケーキを味わってるかのごとく、その壮大なストーリーを楽しんでいるのである。私の愛はとどまることを知らず、まだ見ぬ未来の妻との最期の会話は「僕の墓前には毎週ちゃんと来てくれよ」「そうね、あなたはジャンプの続きが気になるでしょうし」という微笑ましいものになるだろう。さて、ただ今私は布団の中。あらためて自分のジャンプ愛、少年心を確認している。長々と述べたが読者の皆さんにはこの愛さえ分かって貰えば良い。そして伝えたいことがもう一つ。
「起きろおおおおおお!!」
扉を突き抜けて入って来た青い光は僕の布団を翻し、
また扉へ戻っていく。
奇妙だろう?
これが母の能力。
すると突然、大きな手がぶおっとたでて、僕をくるくろと包み、私を運んでいく。
これは父の能力。
運ばれたところには私の日常がある。あなたには非日常でも。
少年ジャンプ愛好家の僕は少年ジャンプ的能力者に囲まれてすごす。不思議だろ?スタートだ。