表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レッドラム  作者: シバドッグ
5/19

一章 和人

 俺は居間で一人、頭を抱えていた。胸中を巡るのは激しい後悔の念と、理不尽な怒りだけだ。

 2日前のあの日、死体あさりなんかしなければよかった。

 そして、俺を脅してきたあの女。俺を追い詰めている元凶はあいつだ。

 あいつさえいなければ、今ごろはもっと平穏に過ごせたに違いない。

 「くそっ、ふざけやがって!」

 思い切りテーブルを叩いてみても、手を痛めるだけで何も状況は変わらなかった。

 そしてふと、叩いた衝撃で床に落ちたスマホを見つめた。

 『何日か経ったら、こちらから連絡します。もしも出なかったら通報しますから』

 たしか、あいつはそう言っていた。

俺の電話番号は教えているが、あちらの電話番号はわからない。こちらからの連絡手段はないのだ。

 かろうじて得られた情報は、あいつの名前が「ミヅキ」だということだけだ。

 チラッとスマホの画面が見えた時に、連絡用アプリで「ミヅキ、大丈夫?」という文が確認できた。

 名字か下の名前なのかは知らないが、本名である可能性は高いだろう。

 だが、名前がわかっていてもどうしようもない。近隣の学校を調べていけば何者かわかるかもしれないが、不審者として捕まるのがオチだろう。

 とにかく、今俺にできることはミヅキからの連絡を待つ事だけだ。

 「連絡するなら早くしてくれよ……」

 突っ伏しながら呟くと、スマホが震えた。

 慌てて画面を見ると、見覚えのない番号からの電話だった。恐る恐る通話ボタンを押して、スマホを耳に当てる。

 「……はい。津村ですが」

 『津村さん、アタシが誰かわかりますか?』

 「ああ、わかるよ」

 『そうですか。じゃあ、この前言ったことは覚えてますよね?その件について話をしたいのですが』

 「わかった。で、どうすればいい?」

 『とりあえず、明日の夕方5時にあの森の休憩所に来てください。詳しくはそこで』

 「5時?あっ、ちょっと!」

 一方的に電話は切れてしまった。

 何とも言えない気分だが、とりあえず電話番号は保存しておこう。登録名は「ミヅキ」でいいだろう。

 非通知設定でかけてこないあたり、案外頭が良くないのかもしれない。

 または、そこまで頭が回らない程余裕がない状況なのだろうか。

 「明日の5時、か……」

 思い出すのは、あの時の言葉。

 『人を殺してくれませんか?』

 あれは、どれほど本気で言っていたのだろう。それを確かめなければならない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ