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弓使いの私は何者ですか?  作者: XXX
第1章 初めての異世界
15/25

閑話休題 娯楽

今回は前回予告した通り、閑話休題です。

 何もない真っ白な世界で地球の神々と【ガヴァリリー】の神々は地上で今も一般人には秘密裏に行われている“天命祭”を見て意見を交わし合っていた。


 そもそもこの“天命祭”とは異世界の神々との交流と余興として用意されたものでそれに参加させられている“資格者(プレイヤー)”の意思など無慈悲にも捨てられるような残酷なものだ。しかし戦いの強制はしていない。特に「“資格者(プレイヤー)”同士の戦い」は。むしろ推奨しているようなものだ。

 “資格者(プレイヤー)”達は今のところこの【ガヴァリリー】で神々に転生させられた者が総勢100人ほど。地球から死んで転生、もしくは転移させられた者が30人ほど。今まで“資格者(プレイヤー)”同士の衝突は極小だったが、現在国同士の対立が深まって来た時勢に“資格者(プレイヤー)”も戦乱の世に巻き込まれるのは目に見えていると結論が出されていた。


「もうそろそろだな、戦乱の世の始まりだ。この時を何十年待ったことか」

「そうだな、□□□□□□よ。儂も転生させるのに疲れて来たところだったからちょうどいいわい」


 □□□□□□と呼ばれた一柱の神は腕を組みながらこれから起こるであろう世界大戦を嬉々として待っていたのだ。彼は特殊な神の一柱で、“戦神”と呼ばれている戦いを好み、戦いを奨励し、戦いに誇りを持ち、戦いに全てを捧げている。三食より戦いというほどの戦いが大好きな神なのだ。


「おいおい、誰か賭けないか?転生者がいる国といない国、どっちが勝つか」

「そんなの決まっているぞ、△△△△。いる国だろうが」

「いや、分からないぞ?確かこの国にいる転生者は戦いを嫌っていたはずだ。そもそも戦争に参加するかも怪しいぞ」

「ふん!戦いを嫌っているだと?馬鹿々々しい。そもそもだな、戦争が無ければ世界は発展しなかったんだ。あの時―――――」

「………また始まったよ」


 □□□□□□が戦争について熱く語りだしたことに、地雷を踏んでいしまったのかと今更ながらに反省する△△△△であった。彼は“ギャンブル神”と呼ばれるほどの賭けが好きで、またそれに勝利する神の一柱だ。


 いつも戦争の話になると賭けを持ち出し、それを□□□□□□に聞かれて戦争話になってしまうというドジを踏んでしまう以外ではかなり優秀な神だ。


 娯楽が少なくなってきた神々にとってギャンブルは余興であり、暇つぶしであり、生き甲斐ですらなりつつある“神界”ではこういった光景が日常的に繰り返される。


「それにしても○○○○よ。お前がこの前転生させた男、いや今は女か。そいつ、凄まじい勢いでレベルを上げているが、何者なんだ?」


 ○○○○と呼ばれた儂口調の神は“ギャンブル神”に言われて今まで転生させた者のステータスを瞬時に確認した。“神の特権”と呼ばれる異能はこの世界でも地球の世界でもありとあらゆる生命のステータスを数値化して見ることができる。


「確かに凄まじいのう。たった数日でレベル30越えか。しかも今いるのは冒険都市イタラの西方ダンジョン“死区”とは………地球でも平均の数十倍ほどかけ離れていたステータスだったからまさかとは思っていたが」

「AAランク冒険者からスタートしているし、そいつはかなり優秀な駒だぜ。ちょうど戦争しそうな国にいやがるし、これは面白くなってきそうだぞ」

「しかし、奇妙じゃな」


 ○○○○と呼ばれている別名“転生神”は訝しい表情を浮かべると、腕を組んで何かを考え始めた。“ギャンブル神”は“転生神”が思い悩むようなことが今まであったかと記憶を辿るが、中々出て来ないのでこれはいよいよ何かあったと瞬時に確信した。


「精霊が七体………?まさかな」

「どうせ、こっちに来る時に事故があった時の反動だろ。気にすることじゃない」

「ふむ、まあよいか。それよりも何の話じゃった?」

「年取りすぎだろ、△△△△よ。すっかり爺だな!」


 能天気に笑い合う神々に不安など微塵もない。しかし、この時天界の神々はルリカのステータスを少しばかり見逃してしまった箇所があった。

 

★★★★★

ルリカ

状態異常検知 永続的呪い継続中

危険度 レベル10

★★★★★


危険度が最大の呪いが永続的に発動中であることを。



次回からは本編に戻ります。

感想等、宜しくお願い致します。

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