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弓使いの私は何者ですか?  作者: XXX
第1章 初めての異世界
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第12話 ルリカ着せ替え人形状態

ミカさんについては今後も登場するのでご注目してくださると嬉しいです。 


 さて、まず何故こうなってしまったのか、とルリカは1時間以上前から自問自答を繰り返していた。手始めに入った服屋の店主、ミカさんに捕まってしまったのが全ての始まりだった。


「……ふむ、これも何か違うわね。次はこれかしら」


 そう言ってミカさんは白を基調としたワンピースを手渡してくる。ルリカから見て左側には山のように積まれた服があり、右側には既に着てミカさんに不採用になった服が積まれていた。この白のワンピースも正確に数えていなかったからわからないが、100着目ぐらいだったはずだ。


 初めは羞恥心で顔を真っ赤にしていたルリカだが、もはやそんなことを考えるだけ無駄だと判断してただミカさんの言いなりと化していた。いつ終わるのか分からないこの着せ替え大会の終わりを切に願いつつ、ルリカはほぼ考えるのを止めた。


 その後、セーラー服、軍服、ドレスなどを着せられてようやく終焉の兆しが見えた。


「この三つが私としてはおすすめかしら」


 ミカさんが最終的に結論を見出した服と合わせてまだ見慣れていない下着類をまとめて買ってその場を去ろうとしたのだが、ミカさんに肩を掴まれてぎこちなく首を向けると、ニッコリと微笑んだまま試着室に引きずり込まれた。


「あらあら、まだ逃がさないわよ?」


 ミカさんの手にはオリジナル作品と思われる衣類が握られており、引きずり込まれて逃げ出さないようにすぐさまルリカの上に馬乗りになって不利な体勢に持ってくると怪しい笑みを浮かべた。


「い、いやああああああああああああああ!!!」


 ルリカの口から実に女の子らしい悲鳴が零れたが、完全防音となっている店内から零れることはなかった。

 

 

 

   ★ ★ ★

 

 

 

 ミカさんの着せ替え人形状態から抜け出せてルリカは“荒くれ者の宿”の自室のベッドの上でぐったりしていた。


 「今日は止まっていったら?」とミカさんが言ってくれたが、あそこにいるだけで精神的に殺される可能性もあるし、着せ替え人形状態のまま逃してくれないだろうと本能的に察知したルリカは丁重に断った。


 ルリカはミカさんの拘束から幾度となく逃げようとしたが、全て防がれてしまい、結果合計2時間半もの間着せ替え人形状態だった。ただの一般人であるミカさんがAAランクのルリカを2時間半も押さえ付けたのだから尋常ではない事態であることは明白だった。


 “荒くれ者の宿”に宿泊している他の冒険者たちからミカさんの情報を集めたのだが、噂では昔AAAランク冒険者だったのではないか、という説が浮上しているらしい。真偽はどうであれ、ルリカはミカさんを要警戒人物として認識したのは言うまでもない。


 思い出すだけでも顔が真っ赤になるような破廉恥な衣装をルリカに着せようと迫って来たミカさんに恐怖していた。


「………ヤバい、ミカさんに会うの怖い」


 後にする際、「また来てね」と微笑みながら送り出してくれたミカさんの笑顔の裏に何か得体の知れないものを感じてしまったルリカは恐怖で身を震わせながらも眠りに落ちた。

 

 

 

   ★ ★ ★

 

 

 

 翌朝、心地よい太陽の光が部屋に差していた。ルリカは規則正しく呼吸しながら、未だ寝ていた。時刻は7時。そろそろ起きるという時間帯だというのにルリカは中々起きようとしない。


 この世界に来てから、ルリカは奇妙な程深い眠りが続くのだ。その原因が未だ目覚めないルリカの周りを守護するように飛び回る7体の“精霊”だ。彼らは独自に結界をルリカに張っているため、常にルリカは快眠をすることができるようになった。それに応じて深い眠りが長い間続くためルリカは中々起きることができない。


「………朝、か。起きないとな」


 ルリカはそれから一時間後に目をごしごしと眠そうに擦りながら目を覚ました。ルリカが起きた時点で“精霊”はルリカの中へ吸い込まれて行った。


 軽く背伸びをしたりしてルリカは今日の予定を、髪を梳かしつつ考えていた。無駄に長い金髪だったが、幼馴染の寝起きに毎日髪を梳かしてやっていたということもあり、手慣れた動作で寝癖を直していく。


 そして昨日ミカさんに選出された服に着替える。今着ているのはミカさんに追加で選ばれたパジャマだが、かなり似合っているのが自分でもわかった。あの人のセンスは測り知れないものがある(色々な意味で)。


 ルリカが着替えたのは地球の日本ではかなりありふれた制服であるブレザーである。ミニスカートというのにはかなりの羞恥心があったが、昨日そんな心をへし折られてしまったルリカは躊躇わず穿いてしまう。さらにミカさんが特に推してきた黒のニーソックスを穿いて準備完了。


 自分で見ても外国人留学生にしか見えない出来栄えであった。ミカさんにメイクとやらを叩き込まれる寸前で逃げ出したルリカは当然そんなことをしない。しかし、エルフの容姿のためメイクなどほとんどいらなかった。


「……はあ」


 ルリカはミカさんのセンスに呆れつつ、女装(?)を何の躊躇いもせずしてしまう己に愕然としながらも今日もダンジョンに挑むことにした。

 


悩みましたが、最終的にエルフ+制服にさせていただきました。

感想等、宜しくお願い致します。

あと、こんな服がお勧め等あればぜひ教えていただけば幸いです。

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