表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
✿恋星✿   作者: 蝶桜
3/4

プロローグⅢ

そして私は、いつもの朝を迎える。


ピピピピッ


枕元に置いてあるいつもの目覚まし時計のスイッチを押し、ゆっくりと重たい腰を起こした。


「もー!なんなのー!変な夢見ちゃった!!」


大きい独り言を言いながらその顔は、どこか頬が赤く染まっていた。

その後、パンパンッとかるく両頬を叩き、着替えを持って、浴室に向かった。

朝早めのシャワーを浴びて、そこから仕事に行く準備をする。

化粧もし、体軽めのコロンを付け、キチッとしたスーツ姿での出勤。


「忘れものなし、よしっ!」


そして、日課の出勤途中でパン屋により、軽めの朝食を買ってから出社した。


「おはようございます!」


「おはよう!」


いつもの会社風景。

私の仕事は、所謂健康グッズの営業だ。

薬品やらサプリメントなど。

あらゆるものを取り扱っている。

本当は、医学系に進みたかったが、なかなか思うような進路に行けず、その結果がこれだ。


「あ、夏鈴ちゃん、おはよう!」



「馴れ馴れしく下の名前で呼ぶなー!秋来!」


ペシッと軽く秋来の頭を叩いた。


「いたっ!かーりんちゃんひどーい!!」


ペシペシペシペシッと何回も頭を叩いた。

何故こんなに親しいかというと、

年齢は、一緒な上に私の地元の近くに住んでいる。

入社したのは、私よりも少し遅かったがすぐに馴れ馴れしいく慕ってくるようになった。



「あーきら!いくら好きでも仕事は、仕事ちょっかいもほどほどに!」


ちょっとキツめな女性が上司の冬月先輩。

本名冬月 麗奈。

仕事も出来、気配り上手。

見た目も綺麗で狙っている男は、数知れず。

今は、誰とも付き合う気がないと本人は、ゆっている。

私の憧れの先輩。




そして、冬月先輩に少ししめられて、さっきから馴れ馴れしいこいつの本名が赤野 秋来。

正直うっとしい奴。

ちょっと明るめの茶髪にリング系のピアスを片方付けてる。

見た目は、はっきりいって少しちゃらめ。誰にでも優しく人懐っこい性格。

困ってる人がいたら助けるタイプな上に

仕事だけは、きちんとこなす。



これがいつも会社で起きている日常の風景。

そして、課長なり出社して、本仕事に入る。


それぞれの仕事が始まる。

私は、基本パソコンと向き合う。

そして、いつも冬月先輩が少ししてからお茶を入れて皆に配ってまわる。


「ありがとうございます、冬月先輩。」


「いーえ、あんまり思い詰めないようにね。」


そして一言ずつ交わしてゆく。

素敵な女性だ。

男性に好かれるのもわかる。

まぁ女性からは、あまりいい受けは、しないようだけど。


何人かは、冬月先輩の入れたお茶をこっそり捨てたり、無視したりする女性もいる。

単純に気に入らないんだと思うけど、それを気にしない冬月先輩もまたかっこいい。



そんな時に私のパソコンにメール通知がきた。

誰だろうと思いながら手馴れた手つきでメールを開封した。

そこには、今夜一緒にご飯どうー?という赤野からのメール。


仕事中に馴れ馴れしくプライベートのメールがくるなり、少しイラッとしながら、あえて無視をした。

すると、すぐにポンッと通知がきて、無視しないで!俺のかーりんちゃん!(笑)の内容。


すぐに怒りの顔文字連呼の仕事しろ!の内容で返事をしようとしたら、ペシッと少し厚みのあるファイルで頭を後ろから叩かれた。


くるっと振り返ると課長の顔があった。


「お前が仕事しろ!」


「すいませんでした。」


すると、遠くの方からプッと笑う声が少し聞こえた。

明らかに秋来の笑い声だとわかった。

内心お前のせいだろと突っ込みながら、課長は、私から離れていった。

注意された私は、黙々と仕事してると、またポンッとメールがきて、ごめんなさいの可愛い顔文字の秋来からのメールだった。



だったら最初から送ってくるなつーの。



また注意されたくない私は、何も返事しないままお昼頃まで集中した。

午後からは、外回りの為嫌でも午前中には、まとめる必要があった。


職場の時計がお昼をまわり始めると次々にお昼を食べに行く従業員。


「はい、これ食べて、外回りにいくついでに食べてくるんでしょ?でも少し食べた方がいいから」


横からすっと冬月先輩がコンビニのサンドイッチをすっと渡してきた。

流石、冬月先輩というところ。


「ありがとうございます、頂きます。


「どうぞ、それじゃ私先にお昼行ってくるね。」


「ごゆっくり。」


にこっと微笑む冬月先輩は、本当に美しい。

私も笑顔を作ってみるが、決してとびきり可愛いや美しいわけでは、ない。

とデスクに置いてある小さな鏡を見て、改めて思った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ