窓の外のこもりうた
お久しぶりです。
きっぱりとした暗い空に手を伸ばす
眩しくてあたたかい星屑がほしい。
風はつめたい、星があたためていく
星の周りだけあたたかい、あなたのようだ
(くるしい)
窓のなかはあたたかい、いとしくてそしてやさしい
きんとした空に触れることもできない。
あたためたミルク、するするとのぼっては消える湯気
ちょっとふんわりして、そしてすぐなくなる
溶けて、そして、消えていなくなればいい
(つらい)
しんとした街、ふかいふかい世界
わたし一人だけの庭のような、ぼんやりした世界。
空はとおい、蒼いカーテンでとざされている
夜はあけない、やさしい魔法がかかっている。
あたたかいベッド、なつかしい部屋
わたしはここで、魔法がとけるのを待つ
やわらかい風が一瞬だけ立つ、わたしはゆらゆらとまどろんでいく
(あいたい)
まっくらになったわたしの部屋、景色はすぐに溶けてしまう
ふかふかのぬいぐるみ、そっと抱きしめてみる。
ひきこまれる、すーっと手を引かれていく
また外が明るくなるまで、わたしはずっとわたしの中
何もない時間、しあわせなベールの中
(あなたが、いいゆめがみられますように)
最後までお読みくださりありがとうございました。