表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/11

プロローグ

ファンタジーにするべきかSFにするべきか悩みどころ。

とりあえず、タグに含まれる内容及び、場合によっては十八禁ギリギリの微性的描写、残酷な表現や流血表現が出ます。

頭悪い内容になる確率大なので、お読みの際はご注意下さい。


なお、この小説はフィクションであり、現実とはなんら関係性を持ちません。


ではでは、少しでもお楽しみいただければ幸いです……


1/9 誤字脱字及び、主人公の容姿を変更しました。

1/26 数字表記を変更しました。




 銀色の閃光が2回、続けざまに斜めの軌跡を描く。

 二振りの短剣による高速の蓮撃は目の前の木偶のエネルギー供給ライン、即ち生命線(ライフライン)を数本まとめて切断。

 そこに1人の少女が手に持った体格に似合わない、無骨で禍々しい銀色の鉄塊を横薙ぎに振るう。

 ライフラインからのエネルギー供給が絶たれた機械の木偶に、その破壊の一撃を避ける事は不可能。

 易々と下半身に存在する4本の多脚歩行部を叩き折り、慣性のまま再度振り下ろした1度目の一撃が兜割の線をなぞる。

 バギャッ! と、鈍い金属音が響き頭部を破壊、モノアイを吹き飛ばし、同時にオイルが噴出した。

 数秒と経たず光の粒子となり果て消えていく哨戒型戦闘機械、シーカー07型。


「兄様」


 大剣を持った少女にもう1人の瓜2つの容姿の少女が兄と呼ぶ。

 それもその筈で、一方は生物学上しっかりとした男である。


「分かってる。今日は女神が微笑んでるらしい」


 ――――と言っても、この世界に神なんていないがな。

 そう口内で吐き捨て、兄と呼ばれた男が先程戦闘し破壊した機械。

 その消滅して消えた場所に落ちている、サイコロ状の結晶体を拾い、横に転がる17インチ程度の木製の宝箱に触れる。


「中身はクズばかりですね」

「まっ、最低ランクのコモン級宝箱だったしな」


 青年を兄様にいさまと呼んだ少女が姫カットで切りそろえられ、腰まで伸ばされた艶やかな髪を撫でつけながら、ドロップ覧に記されたアイテムを見て溜息を吐く。

 

「でも兄様、キューブは結構上質そうですし、今日集めた分を合わせれば、結構な額になるのではないでしょうか?」

「そうだな。今落としたキューブ、パッと見でレア級ってところか。アンコモン級も幾つか今日は手に入ったし、これならそこそこになるかもな」


 兄様と呼ぶ少女が男と同程度の身長を嬉しそうに揺らし、凛と響く鈴のような声で口にすれば、男もそれに同意する。

 キューブ。それは魔物を倒すと中確率で落とす6面体の結晶であり、エネルギー源としては元より、幅広い用途を持つ資源だ。

 2人の見解通り、宝箱の中身は鉄くずなどばかりだが、レア級やアンコモン級のキューブであれば相場の変動にもよるが悪くない値段で取引されるだろう。


「これなら晩御飯は少し豪勢でも……」


 途中で尻すぼみに消えていく言葉。この世界では圧倒的に食料が少なく、他の物資に比べてそれらは高価である。

 食べ物より武器の安い世界――――とまでは行かなくとも、それに近いものがある中、“現実世界”のような不自由ない食生活は非常に困難だ。

 まして、命の危険が常に付き纏う中、値段と必要性の結果、食事はどうしても後回しにされやすい。

 豪華な食事と言うのが、どれだけ贅沢なのかを思い出した少女が口を紡ぐのは当然だった。


「あっ、兄様。東、およそ80メートルにプレイヤー反応1です」

「レベルは?」

「……私達よりは低いみたいです」


 パッシブ型の索敵スキルの効果では、相手のレベルが上か下かしか分からない。


「おーけー。俺が先行するとバレる可能性もある、先に偵察を頼む。大体の戦闘スタイル、それに実力とかめぼしが付けば最高だな」

「そうですね。では、行って参ります」


 そうして皮製のドレスを指先で摘み、優雅に一礼をして素早く瓦礫の山を音もなく進んでいく。


狩り(ハント)は2日ぶりか? 上手くいけば今日は本当に豪勢な食事が出来そうだな……」


 ハント。一部のプレイヤーキラーの間で広まっているPKの別称。PKに成功すれば、相手は装備を必ず一つ以上ランダムで落とす。

 更にインベントリと呼ばれる、道具袋のアイテムも必ず複数ドロップする。

 普通のMMOであればあり得ない程の凶悪なシステム。無論、それには理由があるのだが……


「兄様、戻りました」


 のんびりと妹の帰りを待っていれば、数分と経たず瓦礫の山にそぐわぬ端整な顔が姿を見せた。

 ぽんぽんっと、ほこりの付いた部分を手で払い、ハントに必要な情報を報告し始める。


「相手は索敵通り1人。戦闘スタイルは片手剣と小型の盾、全身鎧を使った騎士タイプの男性。丁度シーカーと戦闘中でしたけど、このあたりのフィールドは初なのでしょうか? 1人とはいえ、随分手間取ってました」

「保険のLP(リバイブポイント)は残ってるし……行けるな」

「では?」

「ああ、飛んで火にいるなんとやらだ。1人で行動するなんて余程の馬鹿か、それとも実力に自身があるのか……とにかく、世の中には怖い山賊も居るんだって教えてやらんとな」


 そう言って妹と同じ長く艶やかな黒髪をガシガシと掻き凶悪な笑みを浮かべた――――





 ――――シーカーを撃破した瞬間を狙い、先制に放たれた投擲用ナイフ、ダークが2本気の緩んだ隙を見事に突き、接合部及び利き腕に突き刺さった。


「だ、誰だッ!?」


 それに答えず、代わりに瓦礫の山から流星にように躍り出た少女の流れるような蓮撃が、明確な意図と共に応える。

 足場の悪さをものともせず潜り込むように接近。死を誘う銀色の狂気が踊る。


「お、おいっおいッ!? まさかPKか!? クソッ! ここは人が少ないって聞いて高い金払ったんだぞ! ふざけるなクソッ!!」


 痛みと混乱に喚き散らしながらも、素早く刺さったダークを抜き、歯を食いしばりながらバックラーとブロードソードで短剣をいなす。

 流石は全身甲冑と言ったところか、継ぎ目などの一部以外では掠る程度では傷すら負わない。

 

「馬鹿かお前? 座標地点ムーブ・ポイントを買うなんて、初心者でもやらねぇーぞ。んなの騙されたに決まってるじゃねーか」

「――ん、ガッ!?」


 少女に気を取られている間に横合いから両手剣、特注のツーハンデットソードがその脇に叩き込まれる。

 通常より幅広であり、重量も3キロ強に及ぶ鉄塊と遠心力により男が吹き飛び、更に追撃の1撃が踏み込みと共に頭部のヘルメットを粉砕。


「あぁああぁあああ゛あ゛あ゛あ゛ッ!?」


 破砕した兜の破片が眼球に突き刺さり、100パーセントのフィードバック率が限りないリアルの痛みを脳内に叩き込む。

 のたうち悲鳴を上げる男に静かに少女が忍び寄るより早く、構えなおされたツーハンデットソードが勢いよく振り下ろされた。

 悲鳴を上げる暇もなく切断される胴体と首、真っ赤な血が辺りに飛び散り、ドスンと倒れた胴体を中心に小さな水溜りを作り出す。

 血臭が少女と男に届き、その顔が僅かに歪むが罪悪感に苛まれた様子はない。

 既にこの行為は、片手で数えるには多すぎるくらいにはおこなってきた。少女はともかく、元より頭のネジが確実に数本飛んでいる自覚のある男なら、尚更罪悪感を感じることもない。


《おめでとう御座います、レベルが上昇しました》


「おっ、やっぱプレイヤーは入る経験値が桁違いだな。そろそろだとは思ってたが、あっさりレベルが上がりやがった」


 脳内に直接女性型合成音声が響き、レベルUPを知らせる。ステータスウィンドウを表示させれば、各ステータスに割り振れるポイントが6ポイント増えている。

 レベル毎に貰えるSPは4~6のランダムであり、今回は非常に運がいいと言えた。

 レベルの上昇が厳しいこの世界では一のステータス差ですら、確実に実感できる差となるのだから。


「兄様、どうやらこの人LPを持ってなかったみたいですよ」

「はっ?」


 んな阿呆なと死体を見れば、確かに普通なら粒子となり消える筈の死体が残っている。

 それは即ち、死亡時にホームで蘇生するのに必要なリバイバルポイント――ストックは2つまで――LPを保持していなかった証拠であり、また――――


「と言うことはデットか。LPなしで狩りに出るとか馬鹿にも程があるぞ……」


 と言うことだった。

 なんせ、この世界での死は現実の死を意味する。明確にそう示唆された訳ではないが、それはこの世界では暗黙のルールとして容認されていた。

 

「ああ、だからやたら経験値が多いのか」

「ドロップも装備品全部にインベントリの半分、間違いありません」


 LPの無いプレイヤーは通常のPKより更に多い経験値に加えて、装備の全てとインベントリの半分に及ぶドロップが固定化する。

 死人にアイテムは必要ないといったところだろうか。


「さって、そろそろ日が暮れるな。夜になれば凶悪な魔物も出るし、拠点ホームに戻るとするか」

「あ、あの兄様……その……」


 冷静を売りにしている妹が珍しくもじもじと言いよどむ。

 はてと首をかしげ、ああそう言えばと頷き思い出す。 


「ん? ああ……そっか、先ずは“王国キングダム”にいかねーとな。美味い食料を買わないといけないしな」

「ありがとう御座います、兄様ッ!」


 感激のあまり妹に抱きつかれたたらを踏んでしまう。この数日、食事と言えば硬いパンが主食であったこともあり、その喜びは一入だった。

 兄弟とは言え、丁度良い大きさの胸が抱きつかれた腕に当たり、その柔らかく暖かな感触になんとも言えない表情を男が浮かべる。

 

「んじゃ、帰りますか」

「はいっ!!」


 歩き出した2人の表情は殺人を犯したというのに明るい。

 それもその筈。PKの数々の優遇、それは即ち、PK――――いや、殺人を推奨しているに他ならない。

 このログアウト不能の世界こそ、現実とは違い、限りなく無法世界であった…………






 

 

後書き


最近めっきり行き詰ってしまい、とりあえず頭悪いの書こうと思い至り、即行で書きはじめた作品です。

見切り発車もいいところで、まさに片道切符。帰りは保証していません。


その場その場で展開を考えると思うので、矛盾とか多いかもしれませんが本作品に関してはご勘弁を。

ヒドイ場合は修正しますが、基本頭空っぽで書きたいから用意したものなので誤字脱字とか以外の、大幅な修正は期待できません。


それでは、そんな作者のご都合盛り沢山の作品ではありますが、どうぞこれからよろしくお願いします。


感想及び評価、誤字脱字の報告があればニマニマと喜びますので気軽にどうぞ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ