再び耐えながらの旅立ち
「いやー、びっくりな事が大すぎだったよな。」
自分がいる御者席の隣に座るマリアに声をかける。ペネンリックスたちは今2人だけで馬車で移動している。
「もうダメだっと思ったけど…私に感謝しなさいよ。」
「でもあの大岩飛ばしてくれたのウリエル様じゃん!自分はペチャンコになったけど。」
「私が衝撃波で加速しなかったら間に合わなかったわよ!…ホントよ!…何回もいうけど!」
「まあ、何回もいうけど…ありがと。」
よろしい、という顔でマリアが前を向く。
「まあそれより、クライチェクさんがペンペン君の知り合いの…愚連隊のなんとか?」
「グランウッドさんの息子!どこから愚連隊が出てくるんだ!」
そう、じぶんが最近までいた冒険者パーティーハウス”石の上にも三十年亭”のマスターの息子さんだったのだ。おかげでかなり喜ばれて、…あのパーティーハウスの近くでコソコソしなくてよくなった。
「まあ、ハッピーエンドだしよかったじゃない、今回のクエスト。」
あの後、元の姿にクライチェクさんが戻った、意識もしっかり回復した。
「クライチェクさんがアージュさんの恋人だってすぐ気がついたの?」
「…ああ。」
「他人の恋は敏感なのよねえ。」
「はあ?」
「ウリエル様どうしてるかな?せっかく仲良しになれたのに。」
パーティーは解散になった。アージュさんは宮廷魔術師の職を辞して元のところに戻っていった。ウリエル様は冒険者を諦め王族として生きて行く事を決めたらしい。
「まあ、無理してたっぽいからね。今頃花嫁修行でもしてるんじゃない?」
「ぺんぺん君のはウリエル様に手を出そうとかおもわなかったの?うまくすれば王族よ?」
「逆玉は趣味じゃないね…冒険して、財宝でも手に入れて、じぶんの国を作るなら王様になってもいいけど。」
「あっ、それいいね!私が女王様やってあげるよ!」
「ははは!そのときはよろしくな、相棒!」
「ホント、他人の恋には敏いのにねえ〜。」
「はあ?」
「…まっ、ともかく、観光地のララカルで少しやすみましょ!あそこには私の親友の冒険者が2人もいるのよ。」
その先の事は決めていない…ただ、マリアはずっと一緒に冒険したいっていってくれた。
後に”ドラゴンに踏まれても大丈夫なぺんぺん草王国”の初代国王と王妃になる…僕達の出会いと冒険の始まりだった。
「…ララカルはアージュさんのホームタウンみたいだから、デート中に遭遇しそうよね。」
「ぐはぅっ!」
お後がよろしいようで…お・し・ま・い♡
前作に引き続き行き当たりばったりになりました、計画的な作品の予定でしたが…すいません。
ラストで失恋する事とドラゴンを想定していましたが、いろいろと難しいところがありました。初級冒険者とドラゴンのガチンコ勝負は無謀すぎたかも?
読んでいただいた方!
ありがとうございました。
感謝・感謝です!
次の作品「猫耳姫巫女メイドと聖なる槍の担ぎ手と」さわりを始めました。