フライングゾンビ
モニターに映ってるのは、フライングゾンビに襲われているタワーマンションの最上階の部屋や一戸建ての家。
フライングゾンビの群れはタワーマンションの窓ガラスを叩き割ったり、一戸建ての家の屋根瓦を剥がしたりして内部の侵入していた。
フライングゾンビと言ってはいるが、正確にはゾンビでは無い。
ゾンビのように人の血肉を求め犠牲者を食い殺す存在ではあるが、生きている。
奴等の大多数は中国人民解放軍の将兵。
侵略か? って言うとそれもチョット違う。
中国のある軍事細菌兵器研究所は、人を何の道具も無しに空を飛べるようになる細菌を開発した。
多分にだが、航空機や船が無くても台湾国に直接兵士を送り込むことを画策したのだろう。
最初は上手くいって実験に志願し細菌を注入された将兵は、自由気ままに大空の散歩を楽しむ。
実験の成功に気を良くした軍の高官は他の部隊の多数の将兵にも、細菌を注入する事を指示。
だが2週間程経ったある日、最初に細菌を注入された将兵の精神に異常があらわれる。
理性を失い、餌を求めて徘徊する獣のようになってしまったのだ。
空を飛ぶ人食いの化け物が群れ集まって、地上の人を襲い始める。
細菌を注入した将兵に異常があらわれた時には、数個師団の全兵士に細菌が注入されていて後の祭り状態。
人食いの化け物フライングゾンビとなった将兵は、中国国内だけで無く周辺国の人たちにも襲い掛かった。
化け物になった将兵に襲われ噛まれた人もまた、細菌に感染し2週間程たってから化け物になる。
それが映画やドラマの中のゾンビを思わせる事から、フライングゾンビと呼ばれるようになったのだ。
フライングゾンビの群れは地続きの国々だけで無く、当初の目的のように海を越えて周辺国に侵入して来た。
ただゾンビと呼ばれてはいるが生きた人間なので、頭を潰さなくても倒せる。
モニターにはフライングゾンビが群れている中心辺りで、飛来した自爆ドローンが爆発して多数のフライングゾンビが破片で身体を切り裂かれ、落ちていくのが映っていた。
モニターに映る街路樹が大きく傾いでいる。
吹きまくる風に翻弄されフライングゾンビの群れが散り散りになって行く。
此の周辺にいるフライングゾンビは、今さっき日本に上陸した台風によって大陸に吹き飛ばされる事だろう。




