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8,禁断の深淵への旅立ち ~追撃の影と、貴族の誇り~

エリュシオン街の北門。朝霧が立ち込める中、イザベラ・ド・ヴァレンティアは優雅に馬車に乗り込んだ。

古代竜の鱗甲冑を纏い、木の棒を杖のように携え、左手の指輪が静かに輝いている。

馬車の後部には、エミリアが荷物を整理しながら座っている。

 「お嬢様……本当に『禁断の深淵』へ向かうんですのね?ギルドマスターが『絶対に入るな』と警告していた場所ですわ……」

イザベラは窓から外を眺め、優雅に微笑む。

 「ふふっ……警告など、ヴァレンティア家には通用しませんわ。セラフィナが言っていた通り、そこに『真の管理者権限』が眠っているのなら、侵入者どもを倒す鍵も、そこにあるはずですのよ」

馬車はゆっくりと動き出し、街を離れる。

目的地は大陸最北の「絶望の峡谷」——

そこに、禁断の深淵への入口があるとされている。道中は静かだった。

しかし、イザベラの感覚は鋭くなっていた。

管理者権限の付与により、彼女の周囲に「異常」を感知する能力が加わっていたのだ。

 「……来ましたわね」

イザベラが呟いた瞬間——馬車の前方に、黒い影が複数現れた。合計10人。

全員が黒装束に身を包み、顔を仮面で隠している。

レベルは平均Lv.50前後。

先頭の男が、低い声で告げる。

 「イザベラ・ド・ヴァレンティア。管理者権限の付与を確認した。……お前は、ここで消えてもらう」イザベラは馬車から優雅に降り立つ。

 「ふふっ……運営の残党さんたちですの?随分と大勢でお出迎えとは、光栄ですわ」

エミリアが慌てて馬車の陰に隠れる。

 「お、お嬢様! 危ないですわ!」

影の一人が短剣を構え、突進してくる。  シュッ! シュッ!短剣が連続で飛ぶが——  ぽよんっ! ぽよんぽよん!!すべてが反射。

短剣は投げた本人に跳ね返り、肩や足に刺さる。

【全ダメージ反射率 +50%適用】

【反射ダメージ 1800 × 複数】

影たちが一瞬怯む。イザベラは優雅に木の棒を掲げ、新スキルを発動。

 「では……お仕置きして差し上げますわ。『ヴァレンティアの審判』!」

瞬間、周囲に金色の光の輪が広がる。敵の攻撃がすべて反射され、しかも倍返しで跳ね返る。影の一人が魔法を放つ。

【闇の槍(Lv.55)】 

ズドン!槍がイザベラを貫こうとするが——  ぽよんっ!!槍が二倍の威力で跳ね返り、放った影を直撃。

【倍返し反射ダメージ 4800】

【即死】

残りの影たちが慌てて散開するが、イザベラは優雅に歩み寄る。

 「逃げても無駄ですわ。この審判は、逃げる者ほど強く当たりますのよ」

木の棒を連続投擲。  ブオンッ! ブオンッ! ブオンッ!回転する棒が次々と命中。

仮面が割れ、影たちが次々に倒れていく。

【撃破数:7/10】

【経験値大量取得】

【レベルアップ! Lv.28 → Lv.35】

残った3人が後退しながら叫ぶ。

 「くそっ……バグ強化までされてるのか!撤退だ! 本拠地に報告を!」

影たちが煙幕を張って逃げようとするが——イザベラは静かに指輪を光らせる。

 「逃がしませんわ。セラフィナ……少し、手伝ってくださる?」

指輪から淡い光が放たれ、逃げる影たちの足元に光の鎖が巻きつく。

【管理者権限:移動封鎖(一時的)】

影たちが転倒。イザベラは優雅に近づき、一番リーダー格の影の仮面を棒で払いのける。若い男の顔が露わになる。

 「……お前は……先日の暗殺者と同じ匂いがしますわね」

男が苦笑い。

 「……お前、どこまで強くなるんだよ。管理者権限まで手に入れて……もう、俺たちじゃ歯が立たねぇ」イザベラは静かに問う。

 「禁断の深淵の本拠地は、どこですの?正直に答えなさい。ヴァレンティア家の慈悲で、命だけは助けて差し上げますわ」

男はため息をつき、諦めたように呟く。

 「……峡谷の最深部、『虚無の門』。そこに……『元運営リーダー』がいる。だが……入ったら、二度と出られないかもしれないぞ」

イザベラは優雅に微笑む。

 「ふふっ……それがどうしたというのです?私は、もう『出る』つもりなどありませんわ。この世界を、正しい形に戻すまで」

彼女は男の鎖を解き、影たちを解放した。

 「行きなさい。そして、伝えてくださいまし。イザベラ・ド・ヴァレンティアが、必ず来ると」

影たちは慌てて逃げ去る。エミリアが馬車から飛び出してくる。

 「お、お嬢様……無事でよかったですわ!」

イザベラはエミリアを抱き寄せ、優しく頭を撫でる。

 「ありがとう、エミリア。あなたが側にいてくれるから、私はこんなにも強くなれますの」

馬車が再び動き出す。峡谷への道は、まだ長い。

だが、イザベラの瞳には、揺るぎない決意が宿っていた。禁断の深淵。

虚無の門。

元運営リーダーとの対決。ヴァレンティア家の誇りを賭けた、最後の戦いが、始まろうとしていた。

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